タッカーとデイル

この、世にもくだらないアメリカ映画を見ると、私のようなアメリカ嫌いシンドロームに罹患している方々も、「アメリカ人はみんなこんなに馬鹿なのか」と安心して、「やっぱりアメリカ最高!チョコーレート頂戴」になるか、「アメリカ人、全員死んでほしい」と真剣に考え始めるかどちらかだと思う。

本日よりヒューマントラストシネマ渋谷でレイトショーだけの上映と聞いていたんだけど、ちゃんと昼からになってるじゃん。賭けに出たな。大阪のテアトル梅田はレイトショーだけ。大阪、堅いね。商売が。

森にキャンプに入ったませた高校生どもが次々と、というこれ以上説明しなくても筋がわかるような内容なんだけど、笑える。あまりのくだらなさに笑い、恥ずかしくも本気で笑ったりしてしまった。
チラシには「笑い死にする可能性があります」と書いてあるが、少なくとも試写のあと死んでいた人間はいなかった。

俺は勧めるけど、つまんなくても責めないでほしい。劇場も「レイトショーにしとこうぜ」と一時は考えたくらいなんだから。15歳以上しか見れないよ。エッチじゃないほうの自主規制がかかっている。

でくさ、最近個人的になぜなのか分からないことがある。
「モールス」という映画が最新リバイバルで掛けてあったので、ポスターの雰囲気につられて入ったら、つまるところドラキュラ映画だった。女の子が可愛かったんで文句をたれるつもりはないが、「モールス」じゃ、少なくともサスペンス止まりと思うじゃない。
ドラキュラなんだよ。

ドラキュラ多すぎない?ゾンビも増えてない?
私は興味ないんで血を吸うのとか、ゾンビとか、エクソシストの類の映画は見ないようにしてるんだけど、やたら多い。日本映画まで吸血鬼、ゾンビが増殖中。
もともと日本には馴染まないじゃん。
吸血鬼はいなかったし、死体は基本的には焼いてるんだから。
死体焼かないから、墓から飛び出してきちゃうわけでしょ。
バラバラの骨がいくら宙を舞っても怖くないよ。

この手の映画ははなからネタバレしてるんだから、よほどうまいこと作ってないとしらけんだよ。

きっとアメリカでは日本で上映されている5倍くらいは作られてるんじゃなかろうか。
あの国は好きなものの傾向が皆さんはっきりしているから、「俺はドラキュラ以外は見ない」「あたしはゾンビにしか興味ない」ということになっているんだと思うよ。
確信ないから引用しないで。

残酷なんだったらロバート・ロドリゲス監督の作品を見て欲しい。
タランティーノが製作にまわっているから、完全なるスプラッター、変態映画。
グラインドハウス」はメチャクチャでのた打ち回って喜んだよ。
その映画の中の嘘予告編から本当に作られることになった「マチェーテ」はもっとよかった。あのリンジー・ローハンも出ているよ。
「プラネットテラー」はゾンビ映画
映画館での上映はとっくに終わっているんで、DVDでお願いします。恋人同士で見てもいいけど、勧めない。お子様には触れさせてはいけません。

しかしあれだな、ハリウッドの「娯楽映画」はすでに基本形ができていて、それをいかに換骨堕胎するか、ただ真似するか、役者入れ替えるか、という点においてはドラキュラもゾンビもスパイもハッピーラブエンディングも同じだな。
決して嫌いじゃないけど、長いこと映画見ていると途中から筋がわかっちゃうのがねえ。
それでもときどき泣いたりしてる俺。

インド映画も聖なるマンネリなんだけど、それがいいという私もいる。
4年前にインド、コーチンで何がなんだか分からないチケット売り場でどういうわけか購入できて、鑑賞させていただいたシャー・ルク・カーン主演の爆発的ヒットを放った映画「オーム・シャンティ・オーム」から、一番売れた曲。
見て聞いて踊っていただきたい。
でもこの映画、生きたまま焼き殺された美女が輪廻転生するって内容。これ見ても信じてもらえないだろうけど。

写真は血の色をした花。やっぱり血の色は綺麗だ。