台風ライブ中継

昨日は雨風が激しくなる前、9時前には帰り着いていたので、ズボンがびしょ濡れになるくらいですんだが、大きな被害にあわれた方はお気の毒でした。

面白がってるんじゃないと言われても、どうしても面白がってしまうんだけど、テレビの台風実況中継って本当に必要ですか。台風被害がいかに大きいかを伝えようと、アナウンサー、記者は使命感に駆られて必死の形相だが、こんなに大変ですよという絵を撮るために、一番雨風が強い時に、そういう場所をあえて選んで、風に逆らい、合羽は飛んでいきそうになり、ヘルメットを押さえながら「大変な雨、風です」って、見てりゃわかるよ。

今朝のニュースでは昨夜12時の一番ひどいときの様子を放送していたけど、外は台風一過のピーカンだよ。「あららら、大変だったんだねえ。ちょっと面白いねえ。意味ないねえ」ってうちでは話してましたよ。
実況だったか収録だったかわからないが、撤収の車の中ではどんな話をしてるんだろう。

「山ちゃん、よかったよ。あのヘルメット押さえながらの絵」
「いやー、もうひとつ何か必要だと思った瞬間ヘルメットに手が伸びたんですよ」
「さすが。台風のときは山ちゃんしかいないね」
「いつでも呼んでくださいよ。どこにでも行きますよ」

んー、今のはちょっと失礼な想像だな。

あるテレビ局の社員に聞いたのだが、海のそばで波が後ろで5メートルくらいのしぶきを上げている前でのレポートは新人がやらされることになっているそうだ。
「もう、やるっきゃないでしょう。ドーンと来いって感じで、ぶつかっていくんですよ」
これぞ仕事という顔で、語っていらっしゃった。

ぶつかっていくのは勝手だが、危ないよ。
「ここに来てはいけません。私は無理やり上司に命じられてこうして中継していますが、意味があるとは思えません。本当に危険なんで、こんなこと止めるように上申します」
くらいのことを言ってくれれば、「なるほどな」と思うんだけど、ザッバーン、ビュ〜、ドシャドシャという音聞いていると、絶対に行きたいと思う奴が出てくると思うんだけど。

事実、私が入社時の同期でペアを組んでいたデザイナーは台風が来ると嬉しくて嬉しくて、素っ裸になってグラウンドで踊りまくっていたらしい。本人がうっとりした顔で話していたので間違いない。
グラウンドでやってる分には大事には至らないだろうが、海岸沿いは止めたほうがいいって。

よく田んぼや畑が心配になって様子を見に行き、水にのまれて亡くなる方がいるが、外出ちゃだめだって。いてもたってもいられない気持ちはよくわかるが、大雨の時は外に出ない。避難勧告が出たら速やかに避難所へが基本中の基本です。

台風の実況中継止めていいんじゃない。面白いけど。
ケガ人が出てからじゃ遅いよ。

東北は大雨らしい。危ないと思ったら必ず避難してくださいね。

私は台風の時にカメラを持って飛び出すタイプではない。
霧の時はどんなに朝早くても、顔も洗わずに走り出している。
ネパール、バクタプル。冬は霧が出ることが多い。