世界にひとつのプレイブック

連日、映画の話題で恐縮です。
映画あまり見ない人にはつまんないだろうなあ、と思っています。
でも、私は映画依存症で、映画を見てないと震えが来るのでたくさん見ますし、人生がペラーンとしたものになりそうな気がします。
そんなこともありまして、映画評じゃなくて、気に入った映画のことだけ書いています。
嫌いな映画をわざわざ貶すこともないでしょう。

昨日はバカ丸出しのことをやってしまいましたが、今日は本日公開の映画。間違いありません。

実はこの映画、見る前からタイトルの意味がわからなかったし、見た後も理解できなくて困っていましたところ、ちゃんと解説がありました。宣伝の方が魂をこめてパンフレットを作っているのにきちんと読まないというのはダメだな、と反省しております。

プレイブックというのはアメリカンフットボールで誰がどう動くとか書いてある作戦図のことです。
作戦は山のようにあって、攻撃の際クォーターバックを囲んでヒソヒソ話をしてパンとみんなで手を叩きます。あの時にこの作戦で行くぜ、と全員の頭の中に叩き込まれているフォーメーションを確認しているわけです。
それが全てうまく行くなら全戦全勝ですが、ま、そうはなりません。
この作戦でいこうと決めた奴がずっこけたり、さっぱり作戦を思い出せないままわかったふりして笛が吹かれるのを待っているボケがいるからです。

私は一時期ある会社のアメリカンフットボール部の専任カメラマンをやっていたことがあり、合宿の時は毎日夜になるとホワイトボードに矢印があーだこーだ書かれたものにややこしい説明をしているのを聞きながら、さっぱりわからんと頭をかかえておりましたのよ。
だから実際の試合の時もフェイクが多くて、どこにボールがあるのかわからなくなってしまい大事なシーンを追いかけられず、「あーあ」と文句を言われることが多かったですね。
悪かったね。

試合に出る側も、見ている側も何が起こるかわからん。
そんなもんだぜ、人生は、ということになりますかな。

この映画は典型的なアメリカン・ラブ・コメディと申し上げると「なーにがそんなにいいんだよ」と思われることと存じます。まとめて言うとそんな風にしか答えられないしろもんなんですわ。
しっかし、これが真面目な話、心温まっちゃったりするから不思議だねえ。

アカデミー賞でこの作品が作品賞、監督賞を獲ることはないと思うんだけど、そうだな、ノミネートは納得がいくな、とうなずいてしまう。
なーにがそんなに違うんだよ、と問われてもそれはねえ、よくわかんないのよ。
だから緻密な作戦と大胆な試合運びが絶妙なんでしょう。

重くないよ。銃撃戦もないよ。恐竜も出ないよ。
でも見といたほうがいいと思うなあ。
心が軽くなるとてもいい作品。

クリス・タッカーが出てるんだけど、あんまり太っていて誰だかわかりませんでした。