ソチは大丈夫か?

もうすぐソチ・オリンピック。
オリンピックに水を差すつもりは全くないんだけど、ずいぶんときな臭くなってきております。

ボルゴグラードでテロが続き、ダゲスタンの反政府武装勢力によるものとされていますね。
ダゲスタンは北カフカス地方と呼ばれる地域にあるロシア内の共和国です。
私が行ったジョージアは南カフカス地方の独立国。
現在は大統領が変わり、ロシアとの関係改善に前向きなんでジョージア関係者のテロは考えられないんだけど、チェチェンの過激派も動いている中でカフカス地方にとても近いソチでオリンピックって大丈夫かしら、とずっと心配していました。
起こったあとで「やっぱり」と言うのはこちらも気持ち悪いんだけど、ボルゴグラードとソチの距離は690キロ。
すぐ近くじゃなくても、全然遠くない。
オーストラリアは年末に「選手団派遣の取りやめもあり得る」なんて言い始めました。

プーチン大統領は「テロ根絶」と息巻いているけど、テロは根絶できません。
叩けば叩いただけテロは起こります。
そもそもこの問題のきっかけは旧ソ連アフガニスタン侵攻です。
1979年にアフガン国内の紛争にソ連が軍事介入して、それに敵対するムジャヒディンにアメリカがジャブジャブ資金、武器を供給し、あげくアルカイダの前身となる勢力を作り上げたんですね。
それで1980年のモスクワ・オリンピックのボイコットになっちゃった。
アメリカもテロ根絶という闇雲なことを言い続けているんでロシアと変わらないんだけど、結局かつての超大国2国が作り上げてしまった「イスラム原理主義」に悩まされ続けているわけだ。

テロを支援することなどあり得ないんだけど、何故テロが起きるのかを考えないとこの問題は解決されようがない。
それについては明快な答えなどないんだけど、このもつれてしまって、ほどきようがなく見える「イスラム過激派」との関係については友人の宮田さんのような専門家だけではなく、私達も関心を持ち続けないと、「イスラム=悪」なんていうデタラメを信じてしまう人間も出てくるので気にかけておいてくだいね。

それにしてもモスクワ・オリンピックから34年経っているのにこの状態。
同じ国で行われるオリンピックが脅威にさらされているというのは何とも皮肉なことではある。

ジョージアの中心部、タヴィスプレバ・スクウェアには聖ジョージと串刺しにされた竜の像がそびえ立っています。