閣議決定のあと

閣議決定というのは、政府がこの方針で行くということを確認する重要な決定であるからして、「これから国会で充分に審議して」という世迷いごとにうなずいていてはいかんのだが、やられてしまった以上これからのことを考えないといかん。

しかし、まあ、私は目を疑ったね。
6時からの会見で何を言うかとテレビをつけたら、前回使ったあのバカボードが掲げられているんで、一瞬前回の録画を流してんのかと思ったぜ。
安倍首相肝いりのあのイラストは自分で描いたのかどうかは知らないが、ここは情緒で押し切るという首相の論理破綻を明らかにしているにも関わらず、まーた、同じことをくり返している。
だから、アメリカの軍艦が他国民間人を紛争地から拾い上げて安全な場所に連れてくことなんかない、って言ってんでしょうが、当のアメリカが。
びっくりするぜ。
こんなのが我が国の首相であることを認めることの方が国辱的だと思いますが。
誰か止められないのかね。
公明党の北川副代表は「首相が急いでいるから」と説明したと聞いていますが、本当のことでしょうかね。
連立を組んでいるといっても一党の幹部でしょう。
まるで「首相が饅頭を食べたいと言っているので」という感じの説明で支持者の方々は納得されるんでしょうか。
公明党支持の皆様、納得されていないのなら是非執行部をひっくり返してくださいな。

抑止力か。
よく聞いたね。
どんな戦争も抑止力を最大限に上げて、自国民を守るという大義のもとに始まっているんだけどね。
「おーら、おら、俺んとこの国の人間になにすんだよ」と言いがかりをつけて領土を広げていったのはアメリカという国ですぜ。
中南米へのアメリカ侵攻もほとんどこの手で行われております。
かつて日本も真似してやりましたね。

で、日本が閣議決定をすると騒いでいる間にアメリカは中国と仲良く軍事演習をやっちゃったりなんかして。
アメリカさんは中国と絶対に戦争なんかしないですよ。
中国にはアメリカが一番大事にしている「市場」があります。
市場をぶち壊すようなことがあるわけがない。
戦争してアメリカ国債を放り出されたら手の施しようのないことになりますです。
外交というものをどう考えているのか。
かつてチャイナスクールと揶揄された中国との関係を重視する外務省の方々は今は端に追いやられ、アメリカべったりの官僚が安倍首相のまわりをスクラム組んで固めている。
アメリカは中国と戦争する気はないけど、勘違いして「アメリカがアメリカが」と頼り切っている方が日本にとっては危険だけどねえ。

イランが日本をターゲットにホルムズ海峡を機雷封鎖する?
しないって。
アメリカがイラクにやったのと同じような核疑惑を突きつけて、脅しまくっているけど、イランは大変な親日国。
そういう国を敵に回すということがもしあるのであれば、イランに重大な危険が迫ったときのことです。
つまり、アメリカ、イスラエルと組んで本気で脅し始めたときにはそいうこともあるかもしれんね。
現在も一応アメリカに付き合って経済制裁に加わっているけれど、申し訳程度でイランも大人の対応をしてくれているから大事に至っていません。
繰り返しますが、アメリカがバカ丸出しでイランを攻撃するようなことになったら、日本もそれに巻き込まれる可能性は否定できません。
危ないのは「アメリカと一緒」を強調することだってば。

さて、閣議決定された後、政府は関連法案の通過を考えるわけだけど、こちらは現状のままであれば阻止できる可能性はない。
昨日野党は「閣議決定に反対する」と街頭で両手を握りあっていたけど、本気で反対しているのは共産党社民党だけ。
民主党の半分、その他の野党は関連法案では賛成にまわりますよ。

ここからだ。
来年は統一地方選挙
調子に乗った安倍首相が衆院解散に踏み切るようなことがあれば、そこが勝負所。
セルフクーデターをやられたんだからこっちもクーデター、というわけにはいかない。
選挙で勝つしかない。
あー、選挙か、誰に立候補させる。
愚痴だけど、愚痴にしちゃいけない。
おかしいと思ったらやっぱり変えましょう。
選挙に行きましょう。
落とすべき候補者を落として、当選させるべき人間を議員にするしかない。
若い方々、これから暮らしていく国のことだ。
老いていく私はしっかり後方支援にまわるから、あと二歩前に出てください。