紅白歌合戦

現在の情報消費速度は異常に早いので、すでにみんな忘れちゃって「いまさら何言ってんだ」というお話である。しかし、私の場合、情報を一度取り込んだ後しばらく寝かせないと消化できないので、タイムラグが生じてしまう。どうもあいつの書くことはワンテンポ、ツーテンポ遅いとじりじりされることと思うが、ま、そーいうことでいいじゃないですか。何でも早けりゃいいってもんじゃない。

今年の紅白歌合戦は面白かったねえ、という話ではない。
今年は赤組が勝ったねえ、という話である。

別に熱心に見ていたわけじゃない。他に見たい番組がなかったので、ただつけていただけで、ときどきKARAとか少女時代が出てくるとテレビの前まで足を運んでじっとしていた程度の見方と言えばわかっていただけるだろうか。
話がずれるが、NHKのあの手の番組の演者のやりとりはそれにしてもすごいね。段取り先行で、それが面白いかどうか一切無視の唯我独尊の姿勢は、放送を送り出す側の姿勢としてはある意味感銘を受ける。民放ではカンペもこうなりゃ映して、アナウンサーの目がどこを向いていようが、かまわん、いざとなりゃ、ADも映していじればいい、という姿勢と好対照である。どちらも面白くないんだけど。

本筋に戻そう。今年は特殊な事情もあって、私は11時には寝てしまった。本を読んでいたとかそういうんじゃなくて、本気で寝た。翌日ブログを書き始めなきゃ、と必要以上の気合が入っていたこともいくつかの理由のひとつである。

早朝からの用事を済ませたあと、PCを立ち上げると赤組の司会者をやっていた井上真央さんが泣いていた。「八日目の蝉」を見て以来、正式なファンとなった私は「何があった」と慌てたのだが、「真央さん、赤組勝利に感極まる」ということであった。赤組はずいぶん勝っていなかったのね。あれですかね。紅白歌合戦の司会をやるということはそんなにプレッシャーのかかることなんですかね。

そんなことで、「へー」っと特に感想もなく、たたずんでいたいたら、数十年前のことを突然思い出した。いつのことだったかわからないし、私の記憶違いの可能性もあるが、たしか、赤組の司会だかリーダーをやっていた水前寺清子が赤組が負けて号泣したのである。子供心にも「泣くほどのことじゃないだろう」としらけたが、当時は80%近い視聴率を取っていたはずだから、まさに合戦だったのかもしれない。
で、ガキだったのに思ったのが、何で合戦なんだろうか。別に戦争にたとえなくてもいいだろう。合戦だから近代戦争のような無差別殺傷ではなかったはずだが、殺し合いですぜ。そのくらいの気合を入れてやれということなのかもしれないが、対戦相手を殺すつもりでやれってのもどういうものか。こういうタイトル、形式の番組は日本以外じゃないんじゃなかろうか。

水前寺清子だったから、そこまで気合入ちゃったのかもね。
私は、4歳まで熊本の水前寺から数分の距離の所に住んでいた。おまけに私の叔母が教師をやっていた時に、彼女を教えたことがある、ということを聞いていたので常に不思議な雰囲気を持つ歌い手だなあ、と思いつつ親しみを感じていた。
今年は水前寺さん出ていらっしゃいました?

写真は水前寺公園。理由は不明だがお手伝いさんに散歩中、池に突き落とされたことがある。