キネマ旬報ベストテン

ゴールデン・グローブ賞も発表されたが、日本で公開されているものがほとんどなく、試写で見たものが数本あるだけなので、良いも悪いもありゃしない。

毎年、キネ旬は私の趣味と比較的近いベストテンを発表しているので、気にしている、ってすっごく偉そうだな。俺様って何者?何者でもないことをはっきりさせておかないと、また「大倉、バカ」とか言われてしまう。映画が好きなオッサンというだけです。60歳になると1000円で見られるようになること、それが唯一将来の楽しみ。

あまり知られていないが、日本は映画輸入大国で、儲からないのにいい映画を配給してくれている会社の方には本当に感謝している。アメリカでなんてイラン映画とかグルジア映画、フィンランド映画、なんだかんだなんて、絶対に通常の上映館ではまず見られないよ。イギリスでも同じ。「俺は知ってるよ」という人間しか行かないところで、こっそり上映されることがあるが、日本の状況とは比べ物にならない。

キネ旬はそんな単館でしか上映されないものも外国映画でピックアップしているので、これからも頑張って配給しようという志のある会社にはとてもいいことだと思う。日本映画、アメリカ映画がほとんどで、イギリスのものもめったにかからない、その他は論外なんてことになると全世界の映画界にとっても大打撃である。これからも配給会社の方々、よろしくお願いいたします。

まあ、映画にしてもストリップにしても結局は「好きか、嫌いか」だけであるから、どうのこうのいうこと自体、言いたい人が勝手に言っていればいい話ではあるんだけど、それではこれにて終了になるので、勝手に続けることにする。

キネ旬の日本映画部門では3本見ていない作品があるので、あーだこーだ申し上げるのははばかられるが、素直な感想は私がベストに選んだ「サウダーヂ」はもっと上位でもいいのではないか。6位だった。
マイ・バック・ページ」はベストテンに入れるような映画だった?私なら皆さんはあまりお好きではないとおっしゃっていた「さや侍」を入れるな。

外国映画部門でもやはり1本見ていない。ここでも大きな疑問符がつくのが1本。「ヒア・アフター」入れるか?何がいいのかさっぱりわからない。外国映画は作品数が多いので非常に選びにくいが、他にいくつもあるでしょう。まず、「わたしを離さないで」が入っていないことが理解できない。ちゃんと見たのか?
「海洋天堂」、「サラの鍵」、「永遠の僕たち」、「ゴモラ」、「アリスクリードの失踪」とか入っていいんじゃないの?変わったところで「ハンナ」。シャレがわかるという意味で「宇宙人ポール」なんかが入っていると、投票した人に好感持つなあ。

映画にあまり興味がない人には、今日はさっぱり面白くないことを書いてしまった。

映画は私にとって「再生」に近いものがある。外界に触れない暗く狭い空間の中に閉じこもり、映画を見ながら産道をくぐり、外界へと送り出される。
素晴らしい映画を見て明るい場所に出てくると、新しい世界が広がっているような気がする。
カス映画に当たると、極悪人になりたくなる。
生まれたての赤ちゃんになったり、不良になったり、私も忙しい。

皆さん、単館が減ってきています。日本が誇るべき世界の文化を受け入れる伝統が失われつつあります。
本当にいい映画にぶち当たることがありますから、是非足を運んでください。1000円で見られる日も増えてきています。

上の写真は南インドコーチンで映画を見に行った時のもの。暴動のようになっていて、入場を諦めた。列が崩れそうになると、警備員が竹で足をぶつんですよ。映画の内容は相変わらずの勧善懲悪ものに違いないのだが、南インドの映画は日本人の目にはどうしたって悪人にしか見えない人が「正義の味方」なのが特徴。