共和党の敵

アメリカはごつい国だぜ。
選挙に勝つためなら何を言っても許されるらしい。日本の民主党の比じゃないよ。

昨日のニュースでは大きく扱われていなかったようだが、16日、サウスカロライナ州での共和党予備選のため、テレビ討論会が催された。ここは南部の保守的共和党員が多いところ。アメリカの予備選は州単位で行われるが、各候補者は微妙に州の投票者の傾向に応じて討論会での主張をずらす。変えるんじゃなくて、主張するポイントをずらすんですね。

保守的な州では過激なことをぶち上げると受ける。受けるのと勝てるのは違うような気もするのだが、なんたって連邦国だから、州が違えば、これが同じ国かというくらいの差がある。ニューヨーク州で同じことを言ったら、ニューヨーク・タイムスにボコボコにされるだろう、くらいのことは平気でこぶしを振り上げながら絶叫する。

今回のテレビ討論会では「ここは狂信的な戦争信者の国か」と思うようなやりとりが展開された。
保守穏健派で今のところ予備選で連勝を続けているロムニーが「タリバンは米国人を殺している。我々は世界中のどこへでも行き、彼らを殺す。イェー」とやった。あーたわかってるんでしょうね。アメリカはどこにも宣戦布告してないのよ。どこへでも行って人殺してたら国際法違反、犯罪ですよ。オメーが行って、どの国だかで逮捕されて、死刑判決を受けてもいいなら試してみなさいよ。うまく逃げられたにしろ、俺が絶対にインターポールに頼んで国際指名手配してもらうから。「我々は」って「私」じゃないってことでしょ。そんなに憎いなら「WE」じゃなくて「I」で話せよ。
それから、ついでに言っとくけど、タリバンを作ったのはあんたの国の人ですよ。ソ連アフガニスタンから追い出すために、パキスタンで訓練した神学生に武器を持たせたのは、あんたたちですよ。
もうー!、腹立つからまだ言うけど、タリバンが米国人を殺したか?殺したよ。あんたらがバンバン殺しまくったから、殺しましたよ。それこそ自衛戦。ツイン・タワーに突っ込んだのはアル・カーイダということになってるのよ。今のところ。タリバンイスラムの礼儀としてビン・ラディンという客をもてなす、匿うことはしたけど、そこまでざんすよ。

勝ち目が薄くなってきたギングリッチもやった。
7代目ジャクソン大統領に触れて、「彼は米国の敵について明快な考えを持っていた。『殺せ』ということだ。うっし。」だもん。

「殺せ」「殺せ」のオンパレード。
どうなの、この国は?頭のネジが数十本はすっ飛んでしまってるとしか思えない。

アメリカという国は大統領選の前に戦争をしたがる。国民が「強い」大統領を望んでいるから。戦争やんなきゃ、選挙に勝てない国。素晴らしい民主主義の国。
でも、今は戦争ができない。お金なくなっちゃたから。
あのお金はどこに消えたんでしょうね。イラクアフガニスタンですね。イラク戦争を始める時に当時のラムズフェルト国防長官が「後から来たって石油分けてやんないからな」とフランス、ドイツを脅していたけど、イラクの石油利権どうなったんでしょうか。
アフガニスタンじゃなくてパキスタンで「ビン・ラディン、殺した」ってオバマも喜んでたけど、人の国で何やってんのあんたたち。勝手に死体と称されるものをわざわざ海に運んで、投げ込んでたけど、あれはあんたの国の習慣かい。

言うだけなら、ただなのかね。
ちなみに会場は「殺せ」「殺せ」に大喝采だったそうで、盛り上がりましたな。「鬼畜タリバン」ってなことになってるな。

最も過激なリバタリアン(リベラルとは違います。全く逆の極端に小さな政府を主張する方々)、ロン・ポールが「自分の国にして欲しくないことは、他国にもすべきではない」と至極真っ当なことを言ったら大ブーイングだったというから、主張がぐるっと一回りした感じ。ねじれてるよ。アメリカは。

アメリカの写真一枚もスキャンしてないなあ。困った。
ベトナム戦争当時アメリカはラオスにまで入り込んだ。今はのんびりとした共産国になっています。とてもいいところ。ここに今爆弾落としたら、アジア諸国すべて敵にまわすよ。
ラオスルアンパバーンの朝。