TRAMP, TRAMP, TRAMP

突然、マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」の中でチャールトン・ヘストンがインタビューを退席する際、独り言のようにつぶやいた言葉を思い出した。
あまりに印象的だったので、時々思い出すのだが、なにも今日そのことを書く必要はない。
でも、迷走なんで許して。

当時全米ライフル協会会長であったチャールトン・へストンは「何故全米ライフル協会は銃を持つことを『権利』だと主張し続けるのか?何故アメリカでは銃による悲惨な事件が多いのか」という問いかけに、私の記憶が正しければ「アメリカの歴史は血で作られている」という内容のことを言った。
この発言は大きく取り上げられることもなかったのだが、私は正鵠を射ていると思った。

独立戦争時には13州しかなかった国が、西部開拓といえば聞こえがいいが、先住民虐殺、買収、因縁つけての戦争による割譲により、現在は50州。そりゃメチャしました。アメリカの歴史の教科書ではどのように記載されているんだろうか。今度読んでみよう。

アメリカが50州になったあとも、一度味をしめると忘れられない。心理学的に言えば一度間違いを犯すと、それを正当化するため何度でも同じことを繰り返す。それを南米でもやった。
伊藤千尋氏の「反米大陸」に詳しいので興味のある方には一読をお勧めする。

反米大陸―中南米がアメリカにつきつけるNO! (集英社新書 420D)

反米大陸―中南米がアメリカにつきつけるNO! (集英社新書 420D)

ということを本日書きたかったわけではない。私の頭の中でこの1年以上鳴り続けている南北戦争の時に作られた歌のことである。

アメリカ人が一番戦死した戦争はなんでしょう。
独立戦争か?ベトナム戦争あたりか、と思ってしまうが、桁が全然違う戦争がある。内戦である。
南北戦争
南北両軍合わせて62万人が死んでいる。
そこいらじゅうに死体が転がっていた。
移民でアメリカに来たとたん、いきなり戦場に連れて行かれた人間も多いが、全員アメリカ国籍をとっていたので、転がっている死体は全部アメリカ国民だった。
詳しくはドルー・ギルピン・ファウストの「戦死とアメリカ」を読んでください。ちょっと高いんだけど。

戦死とアメリカ―南北戦争62万人の死の意味

戦死とアメリカ―南北戦争62万人の死の意味

私が不思議に思うのは、この悲惨な戦争を再現する模擬戦が現在も年に350回、あちこちで行われているのである。
「あん時はやっちゃったな、今は仲良しだけど」ということなのか、死者を偲んでのことなのか、どうしても「なるほど」と思えない。今だって北と南じゃ単純に「仲がいい」とは言いがたいしさ。

1年以上前に朝日新聞の記事を読んで、この歌があることを知った。
北軍行進曲「Tramp,Tramp,Tramp」。Trampはルンペンのことではなく行軍する時の重い足音のこと。副題は「Prisoner's Hope」
北軍の救出を待つ少年兵の心情を歌っている。
この曲はアイルランド移民が母国に伝えアイルランドの準国歌「God Save Ireland」になった。もちろん歌詞は変えられている。
で、この曲がさらに北海道大学の校歌「永遠の幸」になっている。日本人はアイルランドの旋律が大好きである。

では続けて3曲どうぞ。



北大のは、哀愁ありすぎかも。

今日はもうおなか一杯なんで写真は無し。