ものすごくうるさくて、ありえないくらい近い

どうしようと思うほど泣いた。

この映画は9・11を取り上げているのだが、私には3・11でも、スマトラ地震でも、一人だけ亡くなった突然の事故でも同じような悲しみを負った人がいることを思い起こさせてくれるものだった。
だから、あえてフィクションだと最初から種を明かしている形態をとっているのだろうと勝手に解釈した。

フィクションのほうが悲劇で苦しんでいる人の感情の表現には適しているのかもしれない。
泣き叫べない、怒鳴れない、逃げ出すこともできない。留まって耐えるしかない悲しみは私の心を激しく揺さぶる。

三丁目の夕日」でも泣いたが、ちゃんと泣き所が用意されていて、泣いたあとはさわやかで笑顔になれるよくできた映画なんだけど、どうしてもそれ以上の感情移入ができない。心が揺すぶられる幅が狭いのだろうか。
けなしているんじゃないので、誤解しないでください。

タイトルがどうなんだと思うほど長いが、原題をそのまま訳しているだけである。
いいタイトルだとも思った。

ただ泣いてすっきりしたい人には向いていないかもしれない。