幸せました。

2月27日に「おはようございました」について考察したところ、小学校からの親友からメールが届いた。

彼のお母様は「幸せました」という実に深いことをおっしゃるという。
いや、本当に噛みしめるほどに味のある言葉である。
「幸せです」という言い回しはあっても、我々はなかなか口にしない。面倒な手紙やメールでは最後に例えば「お越しいただければ幸いです」と書いときゃ何かいいことあるかな、程度で付け加えることはあるが、「幸せです」じゃない。

芸能人の結婚会見で「今のご心境は?」という阿呆な質問に指輪を見せながら「幸せです」と答えることはあるか。当たり前すぎて面白くないですねえ。面白くする必要もないんだろうけど。

「幸せました」は過去形である。しかも「です」を「ます」に変えての過去形。
似たケースは「ありがとうございました」。「ありがとうございます」でもいいところを過去形にしている。現在形では思いが伝わらない歯がゆさがあるのではないか。

「幸せました」は「ありがとうございます」じゃ軽すぎて、「ありがとうございました」でも足らない、そんな心からの感謝を表すのにピッタリではないか。
国語辞典に出ている、いないの次元の話ではない。
人の心のお話である。

この「幸せました」を使って作文を書いたとして、赤ペンを入れるような教師は生徒にものを教える資格がないよ。
もはや私にとって「南無阿弥陀仏」に近い言葉となっている。

ご賛同の方は是非日頃の会話の中でも積極的に使用していただきたい。
全国に普及したら発明された方のお名前を公表させていただく。

ネパールでは「ダンニャバード」がありがとうを意味する。
時々使うが、なんとなく外国人が必死で覚えた感があって、恥ずかしくなったりする。