決闘の大地で

こんなメチャクチャな映画はめったにない。
しびれまくった。

タランティーノでも最近のロバート・ロドリゲスでもこんな設定は思いつかないんじゃないか。

これはですね、韓国映画のようであり、チャン・ドン・ゴン、ハリウッド進出作品のようであり、監督、脚本、撮影は韓国人、そのほかの大勢のスッタフは韓国人とアメリカ人がごたまぜになっている、というのは表層的な話で、話自体が韓国だか中国だかわからない東洋の地で血なまぐさい殺戮から始まり、あの時代、と言ってもあの時代っていつだよ、ってことになるんだけど、西部劇の時代にいきなり海をわたり、おとぎ話のような小さな村に落ち着いたかと思うと、またこんな!どうして?という騒ぎに巻き込まれ、血の雨が降るのであった、という映画である。

メチャクチャと言っても筋がないわけではない。
ちゃんと納得がいく。
ただ、超嬉しいことに何でもかんでもぶち込んで、うまく消化しているところがたまらない。

虎の穴、サーカス、復讐、赤ちゃん、オペラ、ちょっとイチャイチャ、観覧車、血と血と血。

カメラワークも抜群にいい。

これ聞いて普通見に行かない?
行くでしょ。
俺ワクワクしてスキップしながら行っちゃったもん。

まあ、期待の200%はやってくれたな。
参った。

韓国映画なら何でもいいわけではないけど、好きな映画が多いよ、という中でも特別異色のできである。監督のイ・スンムは長編デビュー作である。
なぜか韓国映画は監督が長編デビュー作にして、傑作というのが多いな。「チェイサー」のナ・ホンジン、「息もできない」のヤン・イクチュン、「昼間から呑む」のノ・ソンヨク、みんな初監督作品が私の5つ星作品である。

なぜだろうね。
必ずしも恵まれた環境で気持ちよく作ったわけではないんだけどね。
気迫みたいなものの差なのかな。

とにかく映画好きなら見に行ってください。土下座でも何でもします。ちゃんと宣伝してないのかな。
私のとこにも試写の案内来てなかったし。
昨日、六本木のシネマートで16時からの回、客は私とおじいさんの二人だけでした。
このままだと回数減らされて、3週間で打ち切られちゃうよ。
これ終わらせると、日本人の恥だよ。

頼む、一生のお願い。
お金出してもいいんだけど、不公平が生じるのでみんなにあげられない。
大倉を信じて見てください。

もちろん責任は取りません。