モバゲー

不思議な響きの言葉があるもんだ、と思った。

女子中学生、高校生の使うかわいらしい隠語かと勘違いしていた。よーく聞いてみたら最近は新聞でもテレビでも知らないほうがバカってくらいに使ってない?

「モバゲー」。おばけー、みたいに聞こえませんでしたか。私は「おばけー」ってなんだろうと真剣に悩んだよ。

ゲームにほんの一時期はまったことがある。30年前のこと。
半年くらいかしら。
ドラゴンクエスト」と「ゼルダの伝説」一本ずつやってやめてしまった。

時間かかるし、どこに何があるんだかさっぱり分からない。仕方なく解説本を買って読みながら進めてたんで、ゲームやってるんだか、パソコンのわけのわからん解説書を読んでいるのかわからなくなってくる。

根気がないということでいいんでしょう。私本人も認めているところですから。
手先が器用でないということもあるな。うまくできないからイライラしてくる。外科医には向かない。

しかし、あれから30年ずーっとゲームやり続けている方々がいるんだ。いないか。いや、いそうな気もする。ゲーム作る側もストーリーの展開をいくつも考えるんでしょ。小説より大変なんじゃない?一人っきりで作るわけにもいかないから、大喧嘩とかするでしょ。しないの?映画と同じ感覚なのかしら?プロデューサーがいて、ディレクターがいて制作がいて、ほかにも私が想像できないけど、絶対に必要な人がいたりして。CMどころの騒ぎじゃないよ。

30年前にその2本のゲームをやった私であるが、実は終わらせていない。
最終対戦相手までは解説書を見ながら進むのだが、これをやっつけると終わりということがわかると、とたんにやる気を無くすのである。
「あっ、それわかる!」と言ってくれた人が一人いたが、本気だったかどうか。
最後にファンファーレが鳴ったり、華やかな行進だとかが見られるんだよ、と言われても全く意欲が湧いてこない。だから、達成感もない。
で、やめてしまった。

今朝のニュースでモバゲーの会社が未成年者の利用には上限を設けることを発表した、というのがあったが、モバゲーというものをいじったことがないので実感がない。

とんでもないことになっていると聞いたが、無闇に人の趣味に干渉する気がないので、詳しく調べたことがなかった。
ところが、モバゲーの最大の特徴は「これでおわり。よかったね」ということがないというじゃない。どこまででも先にいけるらしい。
これは知らなかった。
その意味するところは無料の枠を遥に通り過ぎて、金さえ払えば、何がどうなるのか知らないが素敵な気分になれると聞きました。

何かの中毒症状のように聞こえるな。

で、親御さんたちが請求書を見てぶったまげて、というあたりは携帯電話が普及してきたころから変わらないのだね。

どんなものにもある程度の中毒性はある。私の活字中毒もそうである。

しかしなあ、偏見であることは分かっていても、あの小さな画面を夢中で見ながら、恐ろしい速さで指を動かしているのを眺めていると、ちっと薄ら寒くなる。
しかも、モバゲーって子供だけじゃないでしょ。

つい先ごろまでは、電車の中で携帯見て、いじっている人はメールを書いているか、SNSをスクロールしているのだとばかり思っていたら、モバゲーやってる大人もたくさんいますね。

活字離れが騒がれて久しいが、いろんな国の地下鉄に乗ったことのある私は、ついこの間までそれでも日本人はよく本読んでるなあ、活字離れはどこで起こっているのだろうと不思議でならなかった。
今は違うね。圧倒的多数が携帯の画面を睨みつけている。
活字読まんわ。

致し方のないことかもしれないが、これでいいのか、大丈夫か?

年取ると「若い者は」と言いたくなるらしい。
私はそんなこと感じたことなかったのだが、初めて強い違和感を覚えている。

10年前のホーチミン市のゲーセン。子供でもあまり写真をとられたくない場面だったようで、カメラをさえぎられた。