居眠り運転
大型連休というと必ず交通事故のニュースで、出かける習慣のない私は「何故眠くなるのにそんなに長く運転する」とただただため息が出るばかり。
イギリスにいたときはそれでも休みには湖水地方まで車を飛ばしていたから、若かったのだろう。
と、私には居眠り運転、関係ないふりをしてやり過ごそうと思ったが、良心が痛む。
やはり大声出されて我に返ったことが2回くらいある。
そのときのことを思い出すと、背中に冷たいものを感じて、私には絶対長距離運転は無理だと車を控えるようになった。
日本にいたときから免許は持っていたが、下関で免許を取った自分が、東京で運転するなんてありえないと鼻から運転する気なし。田舎で取った人は田舎でしか運転しちゃダメ、と決めておいてもらったほうがいいと気楽だと思ってました。
そんなわけで友人と遠出するときは、皆さんに任せっぱなしで、「眠たくならないように盛り上げる係」専門。「ガム噛むかね」「飴いらんかね」「おー、こりゃ鼻が痛くなるくらいスースーするよ」くらいではもうどうにもならん、という時に使ったのが「しりとり」であった。
「しりとり」とバカにするやつは「しりとり」に泣くよ。
しかし、「しりとり」と何度も書いていると「しりをとる」ということなんだなあ、と新たに何かを見つけたような気がしてしまう。
「しりとり」は異常に盛り上がりを見せることがある。
最初は「りんご」「ごりら」「らっぱ」と幼稚園レベルのやりとりなのだが、これを2時間近くやっていると、すごいレベルまで全員が登りつめる。
「人の名前でもええんかね、じゃあ、山口百恵」
「えなりかずき」
「木村佳乃」。
これくらいはかわいい。
「ノバ」
「バディ・ホリー」
「リー・オズワルド」
「誰かね」
「ケネディ暗殺したわーね、あんたなんも知らんね」
「ドナルド・トランプ」
「プーマ」
「マッカリ・ゴーサーラ」
「あんた今作ったやろ」
「インドの古代宗教アージービカ教の教祖」
「そんなんええんかね」
「ちゃんと仏教の経典に出とる」
この辺りから沸騰してくる。
「ラビリンス」
「なんかね」
「英語で迷路」
「スーパーチューズデイ」
「地名もええんやね」
「ええよ」
「イースター島」
「ウガンダ」
「だんまり」
「それはなんかね」
「黙るっちゅーこと」
「それはいけんのやないかね」
「ええに決まっちょる」
「リー・オズワルドが暗殺したケネディ」
「文章までかね」
「痛んだサバ」
ということになるといつまでも続き、勉強にもなるし、受けようと思い始める。
笑いが出始めると人間眠くなくなる。
こうして延々と目的地に着くまで「しりとり」は続くのである。
頭を使い疲れるのと、笑いすぎて腹が痛くなるが、事故を起こすより遥によろしい。
一度酔っ払って朝まで飲み屋でやっていたことがあるが、途中でやっている意味がわからなくなって陰険なムードになってしまった。
あくまでも安全運転対策でお願いします。
このころは小学生レベルのしりとりでした。