ガブリエル・ガルシア・マルケスのマジック・リアリズム
今朝の朝刊にガルシア・マルケスが認知症だという記事が小さく出ていた。
85歳ということなので、仕方のないことなのかもしれないが、やはり淋しい。
ガルシア・マルケスにしびれたのは「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」という短編を読んだのがきっかけで、その後翻訳が出るたびにむさぼり読んでいた。復刻版ですけどね。
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,鼓直,木村栄一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1988/12/01
- メディア: 文庫
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このエレンディラは日本では蜷川が舞台にもしたが、正直がっかりした。「これじゃマジック・リアリズムじゃないじゃん、普通の話になっちゃたよ、頼むよ蜷川」って感じだったな。美波が全身すっぽんぽんで舞台を駆け回っていたのはよかった。枯れると裸がいいんじゃなくて、その覚悟が好ましく見えるのよ。
そんなことで、ノンフィクションも含めてほとんどの作品を読んでいるが、後でばれた時が怖いので
「族長の秋」をなぜかまだ読んでいないこと告白しときます。こういうことってときどきない?
ワクワクして買った本をなんとなくそのままにしておいて、他のつまんないの読んですごく後悔するようなこと。それでも読まずに置いとくわけ。謎でしょ。読みたいのよ。心から。でも、「ちょっと」って横にずらしちゃう。これはどういう精神構造なんだろう。このまま読まなくて死んでしまうんだろうか。
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,鼓直
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/04/20
- メディア: 文庫
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なんだか最後の本みたいじゃないですか。読みたくねえ、と思いました。買っちゃってからなんだけど。
- 作者: ガブリエル・ガルシア=マルケス,旦敬介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/10/31
- メディア: 単行本
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で、てっきりその「生きて、語り伝える」が最後だと思っていたら、2004年に小説を発表している。当然まだ翻訳されていません。
で、認知症であるとのことだが、それがなんか問題あるのかと思わせるところがガルシア・マルケスである。本人が嘘をついている可能性も充分にあるが、自ら「百年の孤独には四十二の矛盾と六つの重大な誤りがある」と語ってるんだから、ガルシア・マルケスが書いたものがどんなにおかしなものであっても、みんなフンフンって読みますよ。「百年の孤独」にはアウレリャーノがとんでもない数出てきて、どれがどのアウレリャーノだか途中でわからなくなっても、まあいいやで読み進めることができる。それでマジック・リアリズムに翻弄され、空中浮遊しているような気分になるんだから。
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12/01
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ここんとこ一番面白いから買って読んで。
- 作者: 高野秀行
- 出版社/メーカー: 本の雑誌社
- 発売日: 2011/02/02
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頼む。何とかしてくれ。
私は中南米はアルゼンチンにしか行ったことがない。仕事でブエノスアイレスにしかいなかったのでマジック・リアリズムには出会っていないが、「深夜に絶対に一人で行っちゃいけない」と注意されつつも、のこのこ出かけたタンゴ・バルで男女がすごい勢いでタンゴを踊るのを見て、これもマジック・リアリズムかもと思った.
アルゼンチンにもマルコス・アギニスという私が絶賛お勧め中の作家がいる。
南米文学がお好きな方は是非。
- 作者: マルコス・アギニス,八重樫克彦,八重樫由貴子
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2010/01/28
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- 作者: マルコス・アギニス,八重樫克彦,八重樫由貴子
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2011/06/25
- メディア: 単行本
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