幸せへのキセキ

どーもタイトルが気に入らなくて、しばらく見に行かなかった。
「幸せ」「奇跡」「約束」「永遠」「運命」あたりを組み合わせて、洋画タイトルの30%くらいはまかなえてるんじゃなかろうか。
こういう言葉が入ってくると内容がどうであれ映画館に足を運ぶ気にならない。
恥ずかしいじゃん。

この映画もすごく悩んだ。時間もないので、様子見ということにしておいた。様子見って何だろう。

だけどなー、ダコタの妹のエル・ファニングが出演しているし、スカーレット・ヨハンセンの出てくる映画は見ないわけにはいかない。予告では娘役の子が食べたくなるくらい可愛い。そんな女性のことばかりに魅かれて、つい見に行っちゃったよ。

いいじゃないか。動物園。
動物園に行くと私個人的にはすぐに飽きてしまい、最初の10分くらいは鼻息が荒いのだが、だんだんどうでもよくなってくる。

動物園に行き過ぎたせいかもしれない。
ロンドンに住んでいた時、リージェンツパークまで徒歩5分で、公園を突っ切っていくと園内にあるかなりの規模の動物園にぶち当たる。このロンドン・ズー、爬虫類の館や水族館まで揃っていて、敷地面積のわりには非常に充実している。

ここに子供ができてからよく通った。遠出するのが面倒だったからということもあるが、ライオンタマリンがいて、こいつだけはどれだけ見ていても飽きないからだ。ライオンタマリンは綺麗でこちらも食べたくなるくらい可愛い。私は2ヶ月に1度くらいしか行かなかったが、妻と娘は毎日通っていた。

ところがこの動物園、入場料が高い。今のレートだと普通に聞こえるかもしれないが、大人がピーク
シーズンだと£22、3歳以下は無料。入ってみればなるほどと納得もするが、毎日通われた日には給料が吹っ飛ぶ。

というわけでメンバーになった。イギリス人は何でもメンバーにすると急に待遇をよくしてくれる。
365日毎日通っても年間£95である。どうすりゃそんな数字が出てくるのかわからない。5回行けば元が取れる。雨でも風でも毎日通えば£7935もお得。そんなわけで妻と娘はささやかな幸せの場所をロンドンで見つけていた。

だから、動物園の話ってわかるタイトルにしろよ。
内容だってマリア様が動物園で涙流したってはんしじゃないんだから、「奇跡」は変でしょ。しかも「キセキ」になってるし。カタカナにしたのは少し気が咎めたからかしら。
お話はみんなで頑張った、良かったね、でしょ。
いい話なんだから、恋愛物だか何だかわからないタイトルは合わないって。

もう上記5つの言葉は邦題では使用禁止。
良かれと思ってつけた邦題が客足を引っ張っている気がしてならない。
私は原題どおり「WE BOUGHT A ZOO」か「動物園を買った」のほうがよかったと思うよ。

公開が6月8日だったらしいから、もうすぐ終わってしまうかもしれない。
実話が元になっているから、結構感動しますよ。
私はこういうのに基本的に弱いの。

「WE BOUGHT A ZOO」はお勧めする。

ラオスでは象が道を歩いていたりするから、動物園はなくてもいいような気がする。