「小沢夫人」の手紙

政局である。
政局とは権力闘争が表面化して、日本ではとりあえず見ていておもろい、というたぐいのことのはずなんだけど、現在起こっていることが、おもろい、といえるほど私も能天気ではない。

若い方はさっぱり何のことだかわからないだろうけど、1979年の40日抗争と呼ばれる「広島頂上作戦」のような、面白くも恐ろしい名前の自民党党内抗争が起きた。私もここで何があったと詳しく書けるほど細かく覚えていないので、興味があれば調べてほしいが、この抗争で一番面白かったのはハマコウこと浜田幸一氏が怒鳴りながら、党のホールに作られたバリケードを突破して椅子を片っ端から鬼の形相で放り投げていた場面。あれは本当に面白かった。自民党分裂か!!!みたいなことになり、どんどん分裂すればいいじゃん、と笑って見ていられたもんだ。

ところが今回の政局では本当にこの国の政治家はバカばっかしで、わしは誰が何を言っても信用せん、民主も自民も公明もみんなも維新も社民もアカン、選挙があっても票を入れる党がない、と私は思っちゃってるけど、皆さん色々でしょう。

官僚が悪の根源、政治家が国を動かす、なんちゃって毎回大騒ぎであるが、結局わかったのは政治家がバカばっかりで官僚でこの国がかろうじて持っていることが明らかになったわけである。
政治家が無能でも有能でも官僚が有能でないと困ることには皆さん異存ないだろう。

私は官僚の天下り等、もうちとどうにかせんかい、と思っているが、脱藩官僚と称する人たちが「脱藩」なんだけど、官僚だったんだよね、ということで官僚批判を繰り返しているのがどうにも腑に落ちない。官僚にもバカはいるだろうし、「悪いであいつは」という人間もいるに決まっている。
それはどんな組織でも同じ。

正直なことを申せば、とんでもない勘違いをしている官僚に会って激怒したことは一度や二度ではない。こいつら何様のつもりだ、と怒り狂ったことは何度もある。そういえば官僚出身の政治家にもどあたまに来たことがあったな。
しかし、激務に耐え、実直に国のために働いている官僚もたくさんいる。
別に官僚擁護をするつもりはないが、これ事実だもん。

官僚批判結構じゃないですか。
まずいところはどんどん変えてもらおうじゃないですか。
でも、官僚の上に立つ政治家がアホじゃどうにもならん。

で、政局に戻るのであるが、民主はもういかん。小沢が離党しようが、チルドレンがこぶし振り上げようが、どっちもどっちで何が何だかさっぱり。
消費税を上げることに私は反対ではないが、これだけ説明不足で強行するのはどう考えても無理である。よく、「まず自分の身を切れ」と言われる。切ればいい。でも切ってもそれが財源になるような削減額ではないことは、よくご存知でしょう。議員歳費を削減したから、消費税上げていいよ、ということでもないでしょう。単純に感情論だと言う気もないが、その先のことも問題にしましょう。
民主が政権をとったら、とんでもない金がどこからかやってくる、とあれだけ豪語していたんだから、何故削れなかったかを明らかにしてくれよ。説明してるって言うかもしれないけど、俺様がわかってないんだよ。バカでもわかるようにしてくれ。

算数くらいはできるから、信じがたい量の国債発行でこの国の予算が成り立っていることくらいわかりますがな。このままじゃ娘に申し訳が立たんと思っている。
ただ、数字のことはわかったから、何でそうなって、お金があるって言ってたのがなくなっちゃったのかを教えてくれ。

自民党は民主が消費税上げるといっているんで、とりあえずそこのところは乗っておいて、あたかも「民主党悪いでしょー。約束守んないんだもんね」なわけだから、うまくやったと思っているかもしれないけど、わしらは君たちほどアホではない。君たちにも消費税を上げなければならない理由を明らかにしていただかなくてはならない。

消費税に反対の方々は、今後の財源をどうするのかしっかり示してもらいたい。民主にできなかったことを自分たちならできるというのなら、ここをこうする、と具体的に頼むわ。
消費税じゃなくて、というのでもかまわない。空想で物を言うんじゃなくて、現実的にお願いね。

てなことを思っていたら、先日も書いた週刊文春の記事である。
ようやくほんの少しずつ、新聞が囲みくらいで書くようになった。「『小沢夫人』の手紙が波紋を広げているよ」ってなことで、それが事実かどうかには興味がないらしい。
不思議じゃーん。AKB総選挙と同じ扱いだ。果たしてまだ「小沢夫人」なのか「元小沢夫人」なのかは示さず、「波紋を広げている」っておかしくねえ?
書くことで政局に手を突っ込むのが嫌なのかしら。
政局のことは大好きで、そんなもん知らなくていいっすよ、てことまで普段は書きまくっているのに突然の沈黙だ。

小沢事務所は「事実無根で、本人が書いたものではない」と否定している、とまで書いているのなら、じゃあまあ、そこんとこくらい調べるか、ってこともないのかしら。
この手のことは薄汚い週刊誌に書かせとけなのかしら。
解せねえ。解せねえ。

写真は特に意味はありません。なんだか、ゲロ吐いちゃったような気分なんで、私が「ああ、綺麗だ」と思ってパシャリとシャッターを切った時のもの。これは多分南インドだな。