荒れる40代

大昔は「荒れる大学」だった。そのあとはお礼参りの「荒れる高校」。だんだん「荒れる中学」になってきて、今は「荒れる小学生」だと思っていたら、なんだ、「荒れる中年男」じゃん。
つまらんね。

何故、金曜酔っ払って駅員に暴力振るうかね。40代男性諸君。
夢も希望もないかね。
妻も子も相手にしてくれんかね。

キャバクラに行く金もないか。行ったら行ったで、「なぜ行った?」と悔やむか。
金なら俺もない。でも、聞くところによると、金があることを悔やんでいる人もいるらしいぜ。

駅員に捕まり逮捕されると、またへしゃげるんだろうな。
会社クビになったらどうしようとか思うんだろうな。

日々生きていくことは辛いでしょう。
みんなそうだぜ。
こんな私でも辛いな、と思うことが10年に一度くらいあるかもしれない。ないか。
でも、あっても不思議じゃない。
「上からは押さえられ、下からは突き上げられ」だっけ。
わかるよ。と言いたいが、正直なとこ駅員に暴力を振るうほど間抜けじゃないし、そんなわけのわからない酔い方はしない。だから、わからん、が正しい。

不満は外側にあるように思いがちだが、内側にあるよ。
外からやってくるんじゃなくて、内から湧いてくる。あいつがバカだから、と思っても、怒っているのは自分だ。アメリカのカウンセリングでやるアンガーマネジメントのようなことを言うつもりは全くないけど、怒っているのは疲れるよ。
当たり前だが、イチャモンつけて駅員殴っても、根本的な怒りなんかなくならないでしょ。

先日こんな光景を目撃した。
車椅子に乗ったやはり40代後半か50代の男性が、駅員に怒りまくっている。
駅員が何かやらかしたかと、しばらく見ていたらどうも様子が違う。
スーパー低姿勢で「お客様、降車駅を確認させていただけますでしょうか」と必死で頼んでいる。
車椅子の人が電車に乗るときは、必ず降りる駅に連絡が行き、駅員が待機している。
その駅員がその駅で降りるのか、乗換えなのかを確認している。恐ろしいくらい低姿勢で。
車椅子のオヤジが怖いからだ。

どんなに低姿勢で、聞き方を変えても不動明王の形相で、
「うるさい!」
「しつこいって言ってるんだよ!」
「黙れ!」
と取り付く島なし。

駅員はどこに下ろしていいんだか途方にくれている。
ともかくその駅で降りるか、乗換えなので車椅子用階段エスカレーターを起動させたが、その間も同様の埒の明かないやりとりが続いている。
何か怒りのスイッチが入ってしまうようなことがあったのかもしれないが、私が見ていた限り、降車駅での駅員の態度、姿勢には問題は全くなかった。駅員さんかわいそうだな、と思った。

普段から、雨、風、台風、事故で電車が動かなくなるとマイク片手に必死で謝りつつ、誘導してるもんな。

インドのリシュケシというヨガのアシュラムが集中している場所で、通学途中の女子生徒をカメラを持って追いかけていたら、写真のような書付を見つけた。

正確な英語ではないが言わんとするところは分かる。
写真では読みにくいので、書き出してみよう。

ONCE UPON A TIME
AMERICAN PEOPLE ASKED ME
“MR AJAY WHICH DICTION AT TOP THESE 3 WORDS
ARE ①LOVE ②MONEY ③HATE
“AJAY” TOLD “HATE”
AMERICAN ASKED ME “WHY, MR AJAY”
I TOLD FRANKLY “IT’S UNDER MY HEART!”

私なりに訳してみると

ある時アメリカ人が私に聞いた。
「アジャイさん、どの言葉が一番重要でしょう.
① 愛 ②お金 ③憎しみ」
アジャイは憎しみだと答えた。
アメリカ人は「何故ですか。アジャイさん」と問うた。
私は率直に答えた。
「それは常に私の心の底にあるからです」

少しだけ私の解釈を加えてしまったが、そんなに違ってはいないだろう。

怒りはいつもどこかに隠れているんですよ。皆さん。
どうしましょう。
でも、駅員に酔っ払って暴力を振るうのはやめよう。
帰って、枕を殴ってようぜ。