アメイジング・スパイダーマン

悔しいけど、面白い。
こういうお決まりものはハリウッドがいいなあ。
腹に来るものはよく吟味して行ったほうがいい。
ただのふにゃふにゃの恋愛まがい映画だったり、真面目な顔して皆殺し映画だったりするんで下痢になる。

私は3Dが大変苦手で、字幕がうまく読めなくなるし、目が疲れる。高いのが一番嫌だ。
あれはどうなんですかね。3D、2D、字幕、吹き替えで4スクリーンをごっそり持って行くけど、うまいこと客は入っているんだろうか。私の周りでは一部の方を除いて3D、あまり評判よくないんだけど。

この映画は3Dだと酔っちゃいそうだったので、やはり伝統芸の2Dで見て正解だった。
ビュンビュン飛ぶよ。スーパーマンみたいにただ飛んでいるんじゃないのもいい。どこかアナログでしょ。くっつけてブランコ理論で飛ぶんだから。ずーっとバンジージャンプやっているようなもんだ。

子供みたいに喜んだのだが、問題は「スパイダーマン3」までやっちゃったものとどのような相関関係にあるのだろうということである。監督が降りちゃったから、新しいものにしました、でいいのか?あれはあれでよかったのにね。私は以前のヒロインの方とは気が合わなかったので、こちらでいいのだが、当初はダブルヒロインも検討されていたというから驚いちゃうよ。スパイダーマン二股騒動記になるところだった。
これからはこちらの方と是非うまくやっていただきたい。

しかし、スパイダーマンはまた一から出直し、となったがサザエさんみたいになるんだろうか、永遠のループの世界に閉じ込められるのか。サザエさんほどかたくなじゃなくて、携帯で連絡取ったりしているので、どうも時代は少し動いているようだが、また10年後には高校生に戻るんだろうか。
なんとかスパイダーマンが禿げるまで今回は続けていただきたい。

さて、私はクモが特別好きではない。
どちらかといえば苦手なほうである。
それなのに中学生の時に人のやりたくないことをやってやろうという、全く無意味なことに挑戦したことがある。
クモの採集である。

昆虫採集と同様、自宅周りのクモをとっつかまえて、次々とお注射を打ち、標本にしていった。
当時は辺りを見回すだけで10種以上のクモがすぐに見つかったので、人が驚いてくれる割にはお手軽なのである。

ただ、採集を始めて失敗したと思ったよ。
苦手なんだもん。庭の木に小さな巣を作っているような大きさ1.5センチくらいのであれば、「おらおら」で片付くのだが、便所や風呂場に出現する足まで入れれば15センチくらいの巨大人食いグモは見るのも嫌なのに、網で捕まえて、暴れる野郎にお注射までしなけりゃいけない。
全部一人で完遂したのだが、どうやったのか全く思い出せない。昔のことは忘れたいことまで細部にわたりよく覚えているほうなのだが、さすがにこれは心の奥深くにしまいこんでしまったようで、何も浮かんでこない。

クモにも色々種類があるわけだから、ちゃんと仕分けして、観察帳にするとか、ちょっとした格闘記を書くとか、やりようはあったはずだが、なくなられたクモたちを標本箱にしたお菓子の入っていた紙のハコに突き刺しただけで提出してしまった。
芥川の「蜘蛛の糸」ではあんなにありがたい役目を果たしてくれているのに、どうなんだ。私に仏教を語る資格はあるのだろうか。あれで私を悪行から目覚めさせてくれたともいえるかな。

先生の顔をしかめさせ、同級生からは「うぇ!」と目を背けられた私のクモの標本は、教室の片隅に置かれているうちに、手足がバラバラに落ちてきてしまった。もう何の標本だかわからないが、とにかく気持ちの悪いものに変わってしまっていた。
いまさらではあるが成仏してください。
心から申し訳なく思っています。

スパイダーマンはどんなクモでも好きなのかしら。
あの採集した馬鹿でかいクモは、人を噛むことは絶対になく、確か益虫(虫じゃないけど)だったような気がします。でもなんであんなにでかいんだろう。
どこから入ってきたのかわからないところも不気味なんだよな。

あんなのアジアの国でも見たことがない。

ここは香港なんだけど、スパイダーマン、大暴れできそうに思います。
こちらでも是非。