国民の生活が第一

最初は何のことだかまるでわからなかった。
国民の生活が第一」ってまた誰かが言ってる。民主党のスローガンだったやつですね。
国民の生活が第一」って言われて、そうじゃないだろう、とは反論しにくい。
何も伝わってこないウンチのようなコピーではあるが、政治の世界では文法さえ間違えでなきゃ、なんか書いときゃいい、というくらいのものなのだろう。

昨日までは小沢君の新会派名が「国民の生活が第一」になりそうだったのが、新党名になるようである。
面白いこと始めちゃったよ。
「『国民の生活が第一』が消費税法案に関する参議院での代表質問で『国民の生活が第一』だと主張し、『国民の生活が第一』は『国民の生活が第一』をスローガンに掲げる民主党を激しく攻撃し、『国民の生活が第一』は全員採決では反対し、『国民の生活が第一』であることを貫くと改めて明らかにしました」
という感じのニュースが流れるのかと思うと、ワクワクしてくる。
俺だったら噛むんで、面倒なことは避けようと「国生第」にするな。
日本人は何でも短くするのが大好き、どの会社も大好き。

カラオケだって、「歌が空になっているオーケストレーション」あたりから来てるんでしょ。
私がかつて在籍した会社では全部漢字2文字に統一されていた。
第一営業局は「一営」、これは一般的だ。
業務推進部は「業推」、新聞雑誌局は「新雑」、ラジオテレビ局は漢字じゃないけど「ラテ」、同業他社では「テラ」と言うところもあったようです。テラじゃなあ、萩尾望都の「テラへ」みたいで変だよね。どっちも関係者以外には無意味なんでどうでもいいんだけど。

こんなのもあった。
海外事業局は「海事」、開発事業局は「開事」。
両方とも「かいじ」と発音する。
社内大混乱のはずが、なかなかそんな面白いことにならないのが残念だった。

さて、その「国生第」だが、わからんね。無理だ。だからといって今の長さだとあまりうまくいかないような気がするんだけどどうだろう。「立ち上げれ日本」がギリじゃなかったか。絶対に誰も最後まで言わないよ。「国民の生活」あたりにマスコミでは落ち着いてくるんじゃなかろうか。しかし、そうなると一番大事な「一番」が抜けるね。
「国民の生活」では、それがどうしたってことになるんじゃないかしら。「主婦と生活」のようにも聞こえるな。

麻生君が久しぶりに気の効いたことを言っていた。「『選挙が第一の党』が現実的なんじゃないの」、だって。山田君、座布団一枚、いや、二枚くらいあげといて。

国民の生活が第一」ではふたつの政策が看板になるっていってたような気がする。
「消費税反対」。まあ、この法案に反対して離党したんだから、その経過云々については置いとくとして、筋は通っている。で、「原発反対」って急に言い出したのはなに?そんなこと誰かこれまで言ってましたか?ずーっと思ってたんだけど、黙ってただけなの?なんで黙ってたの?原発反対デモとか行ってんの?自分たちの活動は国会内だから行かないの?じゃ、どんなことしてんの?具体的にこんな活動をしています、ってはっきりさせてくれないかな。

頭が悪い俺を基準に説明してくれよ。
わからん。
国会内で「おーい、こっちに来いよ」「へへへ」じゃねーだろ。どいつもこいつも。
「あの子が欲しい」「あの子じゃわからん」って子供の遊びじゃないんだから。

鳩山君の名前は由紀夫のままなのか、友紀夫と正式に改名したのかその後の報道がないんでわからなくなっちゃったが、昨日一言だけ「国民の生活が一番」とマイクの前で話して行きました。あれはなに?
「私の顔写真付きマニュフェストに書いてあることは反故にはできない」っておっしゃりますが、いきなり頭からわからなくしたのは誰なんすか。

国民の生活が第一」がどうなろうと、小沢君が国会に来ないで、仲間内の「エイエイオー」の集まりにだけ出ようともうどうでもいい。離婚していようが、放射能が怖かろうがそれもどうでもいいや。
頼むから、へたな漫才は止めてくれ。
笑えない漫才は嫌いなんだよ。

インドのタール砂漠にたたずむこの一匹の犬のように孤高を貫くことはできないもんですか。
ただ、この犬、実はどうしたの?ってくらい人なつっこい。