遊星からの物体X ファーストコンタクト

ついにあの事件の3日前が明らかにされる。
この映画のオリジナルを見たことのない奴は直ちにこの場を去りたまえ。
「遊星からの物体X」は30年前に作られ、全世界を凍りつく恐怖で覆いつくし、何度でも見たい私のような人間のために、ビデオがまだまだ一般的には普及していなかった時代にテレビでも繰り返し放送された人類史に残るスーパー名作である。「東京物語」や「めまい」や「市民ケーン」も大変よろしいが、ただのサブカルから抜け出し、「恐怖」という言葉をここまで具現化した映画はない。

この映画が怖くないという間抜けは恐怖が人間を成長させるということを知らずに死んでいくんだろうな。ああ、かわいそう。

これを機会に知らなかった人は、30年前のオリジナルもレンタルして見て、今日公開される映画で起こることの3日後に南極アメリカ観測基地で何があったのかを確認の上、映画館に突き進んで欲しい。できれは本日中にすべてを終わらせて欲しい。このような恐怖を抱えたままでは生きていけないからである。
オリジナルはノルウェー基地からやってきた隊員が半狂乱となってアメリカ基地へ現れるところから始まる。

ノルウェー基地で起きたことは一体何だったのか。
正直言って、今日公開される映画もほとんどが英語で話されているので、どちらがどちらだかわからなくなるかもしれないが、かまわない。怖けりゃいいんだよ。

ウギャーギギギ、オプゲルゲロと映画に合わせてきっとあなたも声を上げていることに気が付くであろう。声出したほうが、気合も入るし、怖いよ。映画館は阿鼻叫喚の地獄絵と化すな。
どんなことを普段思ってれば、あげなことを思いつく、と涙ながらに語る人も出てくるだろうが、原型はオリジナルでほぼ作られている。オリジナルを撮ったジョン・カーペンターの脳を切り刻んで、ニューロンのつながりを解明してほしいところである。

まだ生きているから、その許可は取っておいたほうがいい。
このオヤジは「ハロウィン」のような、ただのびっくり箱のような映画も撮っているが、「遊星からの物体X」のオリジナルが当然一番評価が高い。

日本のゴジラも大好きらしいので、ルーツがその辺だったりするとすごいことだなあ。
日本がジョン・カーペンターを作ったとなるとオリンピックに負けない快挙だぜ。
最近ではAKB48のファンを自称しているようだから、どうなの、あのピョンピョン跳ね回っている子供たちの脳天をカチ割り、ファンが絶叫のオタ踊りを舞い続けるような映画作ってみないかな。
それだったら俺も見に行くな。

いや、この映画はマジでお勧め。
他のお客さんに迷惑かけないようにゲロ袋持っていったほうがいい。
ホラーには慣れているからと自分を過信しないように。

で、ひとつ疑問が。
この映画では誰がどうなの?と見ているこっちもパニックになるが、それはバンパイヤでも同じ。違いは本人が気が付いているかどうかだ。ゾンビは見るからにゾンビなわけだからすぐに区別が付きますね。

私の疑問はバンパイヤやゾンビは不幸なのか、ということである。
バンパイヤやゾンビになったところで、人間が嫌がるだけで、本人たちはいたって気分がいいんじゃないかしら。食い物になる人間はそこいらじゅうにいるわけで、意識もしっかりしているんじゃないの。ゾンビはしてない?しかし、人間のようによけいなこと考えず、人間を食うことを本能としているように思えるから、ある意味、野生を取り戻した動物の本来あるべき姿に戻ったといえなくもないんじゃないかな。

個人的にはゾンビは好みじゃないけど、バンパイヤはすごく美少女にもてるようだから、血を吸ってくれてもいいよ。バンパイヤにしてよ。おまけに死なないんでしょ。特にバンパイヤになって不都合なとこってある?あんまり興味がないんでバンパイヤもゾンビも見に行かないけど、そんなことなんだったら是非。
何事も人間の尺度だけで考えていてはいけない。客観性を持ちたいものですね。

この映画見て、全然怖くなかったという人がいたら、公の場で大倉を罵倒してくれてかまわない。
どういう神経してるんだよ、って罵倒した奴が気味悪がれるだけだぜ。へへへ。

これはオリジナルの予告編。

こちらが今日公開の映画の予告編。