二日酔いの日は泣き虫オヤジ

昨晩はあんまり楽しくて時計を見ないで飲んでいたら朝4時になっていた。
だから楽しかったのは今朝までだったのね。
相変わらず困ったものだと言われれば、ごめんなさい、なのだが、もうこんな楽しいこともないかもしれないと思うと泣けてきた。

言いたいことを言って、これは内緒だよ、と念を押したから大丈夫だと思うが、覚えてるかなあ。
覚えてないと私は破滅なので、忘れてもいいから黙っていて欲しい。

帰りのタクシーの運転手さんはずいぶん丁寧でスムーズな運転をするなあ、と感じ入っていたら、「実はお客さんの行き先、長いこと住んでいたところのすぐそばなんです」とおっしゃる。
そんなことは珍しくないので、「あー、そうですか。ずいぶん変わったでしょう」と返事をすると、「30年前に中国から残留孤児の2世なんで、帰ってきたんです。あてがわれたのが都営住宅でした」とのこと。本当に目と鼻の先である。

完璧な日本語を話されるのだが、ちょっとしたアクセントがあったので東北かな、九州かなと思っていたら大陸のものであった。
辛かったでしょう、なんておセンチにはならず、帰ったあとの仕事の話になった。

帰ってきて就職したのだけど、1年間だけ日本にいたらそれ以来、定年まで30年間ずっと海外赴任生活で中国はもちろん韓国、そのほかアジア、ヨーロッパを回っていたという。
今はタクシー運転の仕事について3ヶ月だけど、とにかく道がわからず困るらしい。
そりゃそうでしょう。
鷺宮なんていわれるともうねえ」
そうだよねえ。私もわかんないよ。
でも、仕事は楽しいと言われる。
「じゃ、私はいい乗客でしたね」と水を向けると「ふふふ」といい感じで笑っていた。

すごく楽しく飲んで、いい運転手さんのタクシーに乗って、マンションについて降りたら足元不如意であったが、気分はすこぶるいい。

そんな時刻でも、メールをチェックするあさましい私である。
すごい仕事の依頼でも来てないかと開いてみたが、今日は残念。この調子で何年もたっているが、すごいことって世の中にはないもんだ。
そんなことを思っていたら7時半までデスクの前で寝てしまっていた。
某局の「松ちゃん先生」とかいうオリンピック以来癖になってしまった番組にチャンネルを合わせると、いつもどおりの話なのだが、泣けて泣けてしょうがない。
意味がわからない。

この意味がわからない涙は実はなんだか知っている。
二日酔いの時は何を見ても聞いても読んでも片っ端から泣くのである。
かつてはオリンピックの入場行進でも号泣した。殺人事件があっても、残された家族のことを思うと延々泣いていた。これから新聞を読むのが怖い。アメリカのQE3のニュースでも泣いたらどうしよう。それこそ本当に意味がないんだけど。

家族から作り笑いが気持ち悪い安倍晋三が、昨日のニュース番組で自民党の総裁選候補が揃って、大目標を書かされ、一席ぶつ中、みんなが「なんとか再生」と書いているのに、一人だけ「なんとか○生」と横棒が突き出ていない字を書いてあきれてしまった、という話を聞かされた。
泣きたくなるよな話だが、ただ腹が立った。
せっかくもうふた泣きくらいするつもりだったのに。
万が一総裁にでもなったら思いっきり、これで日本は沈没だ、と泣いてやるつもりである。

今の私はこんなネパール、キルティプルの写真でも泣けるのに、安倍のボン、どうしくれんだよ。