寝たような、寝られなかったような

毎年この涼しくなってくる時期は、毎晩スイーッと眠りについて朝までぐっすりと、若者に戻ったかのような気持ちのよい眠りが訪れてくれて、ようやく夏のグダグダから解放されるのだが、どうも今年はそういかなくて困っている。
寝つきは悪くないのだが、そこから先がどうもうまくいかない。

窓を開けたままだと深夜に冷えて、寒さで目が覚め窓を閉める。
すると今度は暑くなる。空気が澱んでくる。
空気が澱むのは私の体から放射されている二酸化炭素、オヤジ臭のせいだと思われるので文句が言えないが、一度起きると今度はおしっこだの、腰が痛いだのなんやかんやが気になって、娘のように何があっても起きません、という眠りに落ちることができない。

だから普段の朝は寝られないんだったら、起きちまおうということで、早いと5時とかに起きて、仕事を始めてしまったりする。ああ、不幸だなあ、と自分がかわいそうになる。自宅が仕事場だとこういう不幸なことがあるのよ。

あまりに寝られず、頭が働かない時は寝られなくても意地でもベッドから起きないようにするが、これはただの時間の無駄で、寝よう寝ようとして、寝られた人の話なんて聞いたことがない。

と、私一人が苦しんでいるのかと思ったら、今年は「寝た!という気がすることがない」という人が急増している。そうか一人じゃないって、嬉しいね、と安心しかけたのだが、考えてみればそういう親しい友人というのは、ほとんど私と同じくらいの年齢で、それは歳を取って寝られなくなったってことじゃないの。

歳をとると寝られなくなるというのは、どういうことなんだよ。
私はできるだけ週に一度は泳ぎに行って、肉体を疲れさせて寝ようとするんだけど、それでも寝られない。その代わり、昼間に倒れそうになるくらい眠くなる。それで一時間くらい寝ちゃったりする。
それかな。昼、寝ちゃいけないんじゃないの。
でもな、昼間出っ放しのときも、やっぱり寝られないし。

パソコンを夜までずっと使っていると寝られないという説もある。
若いときのように足で稼ぐということがなくなり、疲れないからということも言われる。
加齢や老化で生理学的な変化の可能性もあるなんて指摘されてもねえ。
酒の飲みすぎも寝てしまうのは早いけれど、やたら早く目が覚めますよ、というのは本当だ。
若い頃からそうだ。

「睡眠との上手な付き合い方が大事ですね」とまとめられると、そんなことはわかってんだよ、どうすりゃいいのか聞いてんだよ、って切れかけますね。

ああ、こうやって朝から別の事で時間を取られてしまい、遅めのブログを書いている、今、この時間に目が重い。死んだように寝たい。

私は中学校に入るまで夜8時には寝させられていたので、こんなおかしなことになってしまったような気がしないでもない。

旅に出ると寝られようが、寝られまいが一日中歩いているのに元気な私。
ミャンマーのパガン。ここには寺院とストゥーパ以外ないといっても過言ではない。
夜、することがなくて困る。