桃さんのしあわせ

菊池桃子さんには幸せになっていただきたい。
なんかほんわかしていい感じの方ですね。
私が星にお願いしなくても、ご自身で幸せになっていることと思いますが。ね、ちょっと心配してみたい人だよね。

そんな菊池桃子さんとは何の関係もない中国・香港映画の話だ。
中国語の映画だから「桃さん」は「タオさん」である。

この話は実在の香港の映画プロデューサー、ロジャー・リーの経験を元に作られている。
生まれたときから何から何まで世話をしてくれたいわゆるメイドである桃さんが脳卒中で倒れた。
軽かったので手足に麻痺は残るが、頭はしっかりしている。
ロジャーは桃さんとの間に母親とはまた別の強い絆を感じている。
で、うにゃうにゃうにゃ、という映画なので、またボロ泣きかと思うでしょう。泣かなかったよ。

劇的な展開を思わせるよな伏線はどこにもないし、淡々と進行していくので、ありがちなストーリーだと勘違いする人がいるかもしれないけど、こんなストーリーがありがちなわけないでしょ。
ロジャーと桃さんの会話と笑顔で全てが成り立っている。

よくそこいらへんにある感動の一大巨編ってのはもうやめたらどうですかね。
私にはお金ばかりかかって見えて、しらけるばかりだ。

「桃さんのしあわせ」は長いこと心が暖まる映画です。
過ぎていく時間がとてもいとおしい。
でも、時間をそこで止めたいとも思わない。

こんな映画なかなかないですよ。

桃さんはディニー・イップが演じていて、ヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を取っている。
こんなきれいなばあさんがいるもんだろうかと、疑ったが現在実年齢は65だ。
いやとてもおきれい。

ロジャー役、主演のアンディ・ラウはノーギャラ出演だ。
それだけまわりのスタッフを信頼しているということでもある。

今日から公開。

香港のおばあさんはいつもなんだか幸せそうに見える。