検察の証拠隠滅疑惑はどうする

山中教授がノーベル賞を受賞したことは日本だけでなく、世界中で喜んでくれた方々がいるようだが、森口さんという謎の人物が赤丸どころかロケット級の人気で日本中を席巻しているので、カッコイイ山中教授も陰に隠れてしまった。

「世間をお騒がせして申し訳ない」という内容のことを東大が会見で話していたが、確かにこれは今のところ「世間を騒がせた」としかいいようがないわね。普段、明らかに違法行為を行っているにもかかわらず、「世間をお騒がせして申し訳ない」という意味のわからない言葉で責任を曖昧にしようとする輩に激怒する私で、「世間を騒がせた」ことが「申し訳ない」のであれば、モーニング娘。もAKBもエグザイルもヤベッチも土下座してもらいたいが、彼らが謝る理由なんかかけらもないんだから謝らないでしょ。
謝る理由が明確な時は「世間」だの持ち出さずにちゃんと理由と責任を明らかにしましょうね。

しかし、困りましたね。今のところ犯罪であったという明確な証拠もないし、要はわけのわからんことを東大の人間があちこちで言いふらしておりまして、すっかり人気者になったことに関してまずいよなあ、と思っていて、本音では「何が何だか私どもにもさっぱりわからんのでございますよ。調べますね」とだけ言いたいんだろうけど、それだけじゃ収まらないんで、やっぱり「世間」に登場してもらうしかなかったんだろうな。東大もこんな研究してますよ、って報告に森口さんの名前を出して公表しているんだから、ちゃんとしようぜ。

私が怒りまくっているのは、数日間報道はされているが、どうもこのままでは森口さん案件に押されて検察の更なる犯罪とも言うべき証拠隠滅疑惑がうやむやになりそうなことである。

東電OL殺人事件で再審が決まったマイナリ氏はネパールに帰国した。よかった。
再審では検察は無罪を主張するのではないか、という憶測報道がされていたが、本日は無罪を主張することに方針を決めたという記事になっている。

再審が決まった時に検察は「承服しがたい」と大文句をたれていたが、今になって「再審開始決定後、これまで鑑定していなかった遺留物のDNA鑑定を行ったところ、女性の爪の付着物から体内に残っていた体液と一致する男のDNA型が検出された」とさりげなく情報をリークし、ごめんなさいでもなく、このままなかったことにして騒がないで、と逃げを打っている風にしか私には見えない。

報道各社の記事を読んでも聞いてもよくわからないことがいくつかある。
検察は「犯行時に女性の右手などに痕跡が残るはずだが、目視可能な付着物は認められない」と主張していたわけだ。私は「人間は間違う」という言葉を座右の銘にしているので、検察が「一審、二審において当時の技術では確実なDNA鑑定は不可能だった」と開き直っても、そういうことがあるかもな、でもその他の証拠を検討すれば無罪に決まってるだろうが、と理解しようとしながらも怒りは収まらなかった。

しかし、目視不可能だった付着物を鑑定したと今回は言い出している。えーっと、じゃ、今回DNA鑑定にまわしたのは何だったんでしょうか。女性の爪をパチリと切り取ってずっと保管していたんでしょうか。目視できない、つまり何もないとしか見えないものを保管していたと。
おそらく抵抗した証となるものだろから、爪の奥、つまり指と爪の間にも何がしかのものは残っていた可能性が強いんじゃないの。指の先を全部切り取っていた?まさか。

目視不可能で何も残っていないと思われていた付着物はどこにどのよな形で保管されていたんでしょうか。
何故、再審決定後、目視不可能な付着物をいきなり鑑定しようと思ったの?見えないのに。
ここを調べれば、やはりマイナリ氏のDNAが発見されるかもと思ったの?再審決定後、ずっと承服できないって主張し続けていたんでしょ。再審決定前、弁護側が体液のDNA鑑定を行った時に、すでに検察もあるだけの証拠をさらに精査できたんじゃないですかね。
そのときにも爪には何もないと信じ続けていたわけですか。

それをここにきて、「爪から・・・」と言い出すのは不可解極まる。
これで、マイナリ氏の無罪は確定になるのだろうから、結果オーライでいいじゃん、とは全然思えない。
検察は証拠を隠滅しようとしていたのではないかと私のような曲がった根性の持ち主は疑ってしまうのである。

この経緯は全てを明らかにして欲しい。状況証拠とかいうものではなく物理的証拠がどうして今まで鑑定もされずに残されていたのか、どうしても知りたい。場合によっては極めて悪質な証拠隠滅という犯罪として捜査を願いたい。

マイナリ氏は15年前に逮捕され、一審で無罪判決が出たにもかかわらず勾留が続けられ15年間獄中に留め置かれた。国家賠償は当然のことだが、15年は取り返せない。

森口さんの件では今後何が出てくるかわからないが、誰も亡くなってはいない。訴訟ということに発展することがあるかもしれないが、実刑を受けるようなものではない。関係者が襟を正して、同様のことが起きないシステムを考えればいいだけである。

検察の権威は地に落ちているが、それでも犯罪とも思えるこの案件についてはマスコミはもっと詰めた取材を行うべきである。

ネパール側から望むヒマラヤ山脈