安田菜津紀さん写真展

フォトジャーナリストの安田さんが名取洋之助写真賞を受賞され、18日から東京ミッドタウンにあるフジフィルムフォトサロンでその受賞作品の写真展が始まっています。
私は昨日行ってまいりました。

ウガンダで母子感染でHIVポジティブとなった幼い子供たちの姿、彼らが生きている場所を丁寧に安田さんはフレームに納めています。
どんな写真かはいくつかのものをホームページ等で拝見していましたが、実際に見て、これは彼女でしか撮れない、と認識をあらたにしました。
ここまで説得力のある写真を撮るには、じっくりと彼らの生活の中に溶け込み、一枚一枚を納得しながらシャッターを押さないと無理です。生活の中に身を置く、といっても数日滞在して仲良くなりました、ではこれも不可能。しかも、誰でも受け入れてもらえるものではありません。
一度行くと、1ヵ月は滞在するそうです。

安田さんを深く知っている人間ではないので、いい加減なことは言えませんが、彼女は人の心の中に入っていける稀有なタイプのフォトジャーナリストです。それはスキルという言葉では表せない、「人の心の痛みを知る」という本来どんな人間にも備わっているはずの感性が普通の人の何倍も強いからではないかと推測します。
また、写真を撮った後、そのことを伝えなければならないという強固な意志を持ち合わせているのが頼もしい。

こんな書き方では大変な野心家と思う方もいるかもしれませんが、実際に会って話をすると拍子抜けするほどそんなギラギラオーラを感じません。

そんな方が25歳なんだから、オッサンとしては心が折れそうになるが、それは典型的な年寄りが才能ある若い人に抱く嫉妬だな、きっと。

安田さんのホームページ。
http://www.yasudanatsuki.com/profile/

今回の写真展の案内。
http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/tokyo/s1/13011801.html

彼女の活動スケジュールを見ると、本格的に腰が砕けそうになる。
膝が痛いだの、酔っ払って肘の打撲だとか言っている場合じゃないよ、まったく。

ご案内が遅くなってしまいましたが、この写真展は24日で終わってしまいます。
是非足を運んでいただきたく。

来月にはインドデビューされるそうな。
私が喜んで迷子になる路地どころじゃない場所を取材されるらしい。
心配は全然しないけど、フォトジェニックな国だから、いいとこも撮ってきてくれるといいな。

ジョードプル、インド。