交際費天国が来るかも

ウヒョー、って話じゃないすか。
もうこれから私が「交際費が余っちゃってるから、今日はドーンと行こう」なんてことを言う日は死ぬまでないし、死んだら1000%くらいなくなる。

しかし、小さな会社をやっていたころは、ぼちぼち使えるお金があって、お得意様とご一緒する時くらいは「いや、ここは私は」なんてサラリーマンのようなことを言ったこともある。へへ。
交際費がどのくらい使えるのかは社長だった私の判断だったが、あれはジャンジャン経費で落とせるというものではなくて、なんか決算の時は損をしたような気分になるものだったぜ。

もっと大きな企業に勤めていた頃は、「広告会社なんだから、交際費使い放題だったでしょう」なんてことをおっしゃる方が多いが、私のいたところは「交際費なし」が原則で、得意先が「行こう、行こう」と出鱈目を言っても、自腹で払うことが多くて、顔で笑って心でぶっ殺したる、であった。

交際費というのは不思議なもので、会社の金で飲み食いできるという会社社会主義国の日本で発達したものである。イギリスでは経理の仕事もやったことにしているが、あれはただ恵子さんの持ってきてくれた書類にサインをするだけのインチキ仕事だったので、あちらの交際費処理がどうなっているのかは皆目見当がつかない。
知らないことはありがたいことで、少しやんちゃな使い方をしたことはあったな。

風の便りに聞いた話では、ある制作プロダクションでは私を接待にしたことにして、キャバクラで豪遊していたプロデューサーがいたらしいが、そいつからは奢ってもらったことがない。
確かに何度かクソみたいに高い飲み屋に行ったことはあるが、そいつがお勘定の明細をじーっと見ているなと思ったらいきなり「大倉さん、お願いします」と私に勘定書きを突き出したこと以外記憶にない。
「大倉ってのはとんでもねーやろうだな」とあちらの経理の方は思われていたかもしれないが、あれ、俺じゃないです。あいつ本人です。
発注する側に勘定書き押し付けてくるとはいい根性してると感心していたが、あまりの額に私も驚いた。もういい加減にしとけよ。

さて、来年度から中小企業では年800万円を上限に交際費を全て損金算入できるようになるらしい。
げげげ、いい話だね。
麻生君は大企業にも広げて行っちゃおーかなー、と話しているらしい。

すっげーいいねー、と勘違いしてしまった。
私は個人事業主で全く関係ない。
中小企業、大企業から接待されるような仕事なんかない。
企業が何がしかの見返りが期待できる人間では全くなかったのであった。

んー、それでも「大倉面白いから飲ませるか」という奇特な会社はないもんだろうか。
新聞記事切り抜いて、大ぬか喜びしたんで簡単に諦めきれない。
連れて行くのが面倒だったら、「大倉さん、領収書くれれば処理してあげるよ」でもいいな。

これで経済が活性化する、って理屈はクルーグマンスティグリッツもさっぱりわからないだろうが、日本はこんなことで幸せになる人もきっといるんですよ。
「日本は交際費でデフレから脱却した」ってことになると世界中のメディアが取り上げそうだ。
また「日本異質論」が飛び出してくるかもしれんな。

書いているうちにどんどんテンションが下がってきてしまったが、お金は回るものである。
何か少しくらいいいことがあるといいな。

今思い出したが、交際費として処理できないキャバクラの領収書を「打ち合わせ費」ということにして、「50人で行ったことにした」と話していたプロデューサーもいた。あれ名前を書かないといけないので大変なんだよな。そういう苦労から解放される人がいるのはいいことかもしれない。

当然この大根、瓜なんかは交際費にならない、といいますか、交際費で落とす金額にはならない。
ポリポリおいしそうだが、すっごく堅い。
リシュケシ、インド。