９１１とイラク戦争と沖縄と

国連のピレイ人権高等弁務官が５日、「キューバ・グアンタナモ米軍基地内の収容所におけるテロ容疑者らに対する米国政府の扱いは『国際法の明確な違反だ』と非難し、同収容所の即時閉鎖を訴えた」という記事が昨日報じられていた。
すべてのメディアをチェックできるはずもないが、このことに触れていたのは朝日新聞以外はなかったのではないかと思われる。
オバマ大統領が「司法長官が抜群にきれい」と発言して、謝罪したことの方がニュースバリューとしては大きかったようである。

この私が感じているずれに関して皆さんが同意するかどうかはわからないが、ずれの幅はこの１０年どんどん広がっていき、私の頭の中は何がなんだかさっぱり大混乱をきたしている。

オバマは収容所の閉鎖を掲げて、前々回の大統領選を戦ったはずなんだけど、沈黙は金なり、で貫き通している。
さて、この収容所が作られることになったきっかけである９．１１同時多発テロであるが、何度も言及しているが、この事件にはあまりにも疑問が多すぎる。関連書籍、資料を読んでいるとつじつまが合わないことが多いどころか、なるほどとやっぱりアルカイダ、オサマ・ビン・ラディンが主犯だと納得できることが何一つない。
何でもかんでもユダヤ陰謀説にしてしまうたぐいのことではない。

ベンジャミン・フルフォード氏が２００６年に９．１１は捏造であるという内容を含んだ「９．１１テロ捏造　日本と世界を騙し続ける独裁国家アメリカ」という本を出版したが、この本は非常に鋭い指摘を行っているのに検証できない他の陰謀説までごっちゃにしてしまったので、おかしなおじさん的な扱いを受けて日本のテレビメディアから消えてしまった。アマゾンではもう売っていません。ただ同時期に下の本も出版している。

暴かれた9.11疑惑の真相

この人の陰謀論シリーズは意外に人気があるようで、日本でいまだに旺盛な執筆活動を続けていて、どえらい数の出版物がある。

フルフォード氏のことは置いておいて、一度紹介したが、民主党参議院議員、藤田幸久氏が編集した「９．１１テロ疑惑・国会追求　オバマ米国は変われるか」という本を２００９年に出版している。こちらは徹底的に９．１１疑惑を追いかけていて、細かな取材の積み重ねで事実を羅列しており、極めて信頼性が高い。

9.11テロ疑惑国会追及―オバマ米国は変われるか

あまりにも指摘している点が多いので内容は是非一読願いたいが、一つだけ明らかな事実があるのでそれだけ紹介します。
いつの間にか９．１１はオサマ・ビン・ラディンが首謀者ということで世界中が納得しているが、FBIの指名手配書には「１９９８年のタンザニア、ケニアにおけるテロ行為に関わった。その他、世界中で起こっているテロ攻撃の容疑者でもある」としか書かれていない。９．１１の首謀者とは全く書かれていないのである。
にもかかわらず、オバマは国際法を無視してパキスタンにいたとされるビン・ラディンを殺害し、海に遺体を投棄したということになってしまった。
証拠、裁判抜きのどう考えてもテロ行為による殺害である。
このことに関しても、メディアは沈黙したまま。

アフガンにおける「テロ掃討」作戦には日本も給油という形で参加した。
９．１１とは何の関係もなく、大量破壊兵器も保有していなかったイラクに戦争を吹っかけて恐ろしい数のイラク人、そして自国兵士を殺した第２次イラク戦争にも、日本はヒゲの隊長率いる部隊が参加している。
ブッシュでさえ「大量破壊兵器がなかったことは私が犯した間違いである」と演説し、トニー・ブレアは議会で聴聞を受けた。
一番に「イラク戦争を理解し、支持する」と語った小泉元首相は「思いと予想と見込みははずれることがある」だけですませてしまった。外務省は「おおむね正しかった」。戦争開始時に官房長官だった福田元首相は「我々に情報はなかった」で「結果的に間違っていなかった」と悪びれることなく取材に答えている。どこが間違ってなかったのか。
日本は国の体をなしているのか。
早い話、アメリカがそう言うんだから仕方ないじゃん、ですます国である。

ここまでのところはいつも腹を立てていることなんで、目新しくないが、ここにきて沖縄での基地返還交渉が「進み始めた」。
普天間返還合意文書に安倍首相は実にさわやかな笑顔でサインをした。
TPPでもアメリカの機嫌を損ねなくてすんだし、万事めでたい、という顔してたな。
農家の多い地区では「TPP交渉参加絶対反対」の公約をわざわざ看板まで立てて自民党が勝った先の総選挙はもはや笑い話。

普天間は辺野古への移転前提で返還されることになっている。
沖縄県知事はずーっと「県外移設以外ない」と言い続けているんだが、あれはどうなった。
知らーん、で切り抜けるつもりなんだろうか。
アメリカと約束しちゃったもん、で強行突破か。
私は本気で沖縄は独立した方がいいと思っている。
沖縄戦で言葉にできないほどひどい目にあって、アメリカに占領され続け、挙げ句の果て日本からもこの扱いである。
安倍内閣の支持率は今どのくらいだ？株が上がっているので７０％超えるくらいか。つまり、辺野古移設を７０％程度の日本人は支持しているということだ。こんな国、愛想つかして出て行った方がいいんじゃないか。
私も含めて「沖縄の海、大好き」じゃないだろう。
中国、韓国から歴史認識を迫られているが、まず日本人は沖縄の歴史認識をやり直すべきだろう。

日本で現在対米従属を拒否しているのは「軍事大国」「核兵器保有に前のめり」の維新の石原共同代表くらいか。あれはただアメリカに「押し付けられた」憲法が嫌いなだけか。あの人の言っていることは訳が分からないが、対米従属しないとかたくななのは共産党、いまやあるのかないのかわからない社民党くらいか。石原君が本気なら彼らと組んだ方がいいんじゃないの。
日本という「国」の概念が揺らいでくる。
いったいこの国は何がしたいんだろう。

あー、下関はいいとこなんだけど、一度も住んだことのない安倍君の選挙区なんだよな。
いやんなっちゃう。