アロマでいこう

寒い間ずっとかぶっていたニット帽を身につけることはもうない。
あのカシミア製の1000円帽には言葉では言い尽くせないほど感謝している。
しかし、愛するあまり1ヵ月かぶり続けていると、頭から妙な臭いが漂ってくることになる。私が頭から最も汗をかく体質であるせいだ。冬に汗かくか、と思われる方、人に言わない方がいいですよ。汗かくんです。気がつかないだけ。寒い寒いと電車にそのまま乗ったりすると、とんでもないことになる。いちいち帽子とったりかぶったり忙しい。その間にも汗は帽子にどんどん吸収されている。
ひと月そんなこと続けてごらんなさいよ。人生楽じゃないことに気がつくから。
ニット帽は一週間に一度くらいは洗わないとダメ。
特にハゲはちゃんとしようぜ。
間にクッションがないんだから。

さて、なぜこんな時期にと思われたでしょう。
明日は朝、ぶっ飛ぶくらい早い用事があるから、本日中に旅支度をしてしまわないと間に合わないからです。
ひと月と言っても、たかがヨーロッパだろうが、と思われるかもしれないが、灼熱のアジアの方がずっと支度は楽なのよ。パンツとTシャツとスリッパとカメラがあればいいんだから。

まず向かうイギリスは5月でもロンドンで雪に降られたことがある。
いきなり凍えるほど寒くなってもおかしくない。
スペインはかなり暑いんじゃなかろうか。特にセビリアなんか。
アルメニアはどんな様子だかさっぱり分からない。
これに対応すべく準備しなければならない。
何をどうしていいんだか。

ま、着るものを増やしとけばいいんでしょう。
でもこれまでバックパックでしか出かけたことがないんで、そんなに入らないですよ。
だからスーツケース買いましたよ。
いまさら。
家族と一緒のスペインまではスーツケースにいろんなものを詰めて、別れるときに私はバックパックだけ担いでアルメニアに向かうことにした。スーツケースのような鬱陶しいものは、持って帰ってもらう。
この作戦、どのような結果になるか私も興味津々でございます。

さて、何故アロマなのか。
私は旅の最中は基本的に全部洗濯は自分で手洗いでございます。
金がかかるのが嫌だからです。
しかし、問題はうまく乾くかどうか。
シャキっと乾いてくれないと、異様な臭いのするタオルで顔を拭かなきゃいけなくなったり、身につけているだけで食欲をなくすTシャツが出来上がったりする。
キチンと消臭してくれる洗剤を使わなきゃいけないんだけど、いろいろ試してもこれだとバッチリということにならない。

そんなときに最近テレビで「ポンッ!」とか言って「いい香り〜」ってうっとりしている皆さんがいたり、「汗をかいてもアロマが」なんてやっていた。私には夢のような発明品がたくさんあるらしい。
よーし、これで行こう。絞ると汗が滝のように落ちてくるTシャツもこれさえあれば異臭を放つことはあるまい。
で、その洗剤はどこだ、と探してみたら、あれは洗剤とは別の柔軟剤の中に含まれている成分が「うっとり〜」を作り出しているそうじゃない。そんなの無理よ。
荷物は極力減らさなきゃ。洗剤は最小限。使い切るつもりで持って行かないと。長年のバックパック生活でしみったれた習慣が身についているんだよ、こっちは。
みんなどうしてるんだろう。
洗濯後の衣類の臭いで苦労したことないですか。

だいたいどんな安宿にも対応できるようになっているんだけど、あの雑巾のような臭いだけは慣れない私でございます。
もっと早く相談しろよ、なんだけど、いい知恵をお持ちの方は是非ご教授願います。
雑巾で身を包んで歩き回るのは本当に嫌。

こんときは本当に困った。
写真は気持ちいいんだけど、私自身がとても臭かった。
パガン、ミャンマー