きっとうまくいく(3 idiots)

インド映画といえば歌って、踊って、悪い奴らをやっつけて、お色気もちょっぴりが定番で、わたしもそのような映画をさんざん見てきたんだけど、このところその定番パターンから抜け出すものも出てきております。

ひとつのパターンはハリウッドが金を出して口も出して、さっぱり面白くないもの。
もうひとつはボリウッドで作りながらもいつまでもこんなんじゃまずいんじゃないの、と定番を踏襲しつつも、あんまりおかしなところで踊らせんのはどうなの、善玉VS悪玉ってのもいい加減にしないとね、と保守的ながら娯楽映画の枠を広げようとしているもの。

この「きっとうまくいく」は後者なんだけど、うまくできてるわ。
ずいぶん前に公開されていますから既にご覧になった皆様もいらっしゃるはずですが、あえて紹介させてね。

インド映画らしく約3時間と最近短くなってきている傾向に歯止めをかけた。インド映画はやっぱり長くないとね。
豪華絢爛なセット、ダンスを期待しているインド映画ファンには申し訳ないが、それはかなり押さえられています。
じゃ、何が面白いんだ、ということになってしまうが、コメディ映画を装いつつ、インドにいまだに残るカースト、持参金制度、教育問題を軽くつつき、ちょっと涙が出ちゃう感動巨編よ。
なにか問題あるかね。
ああ、友達っていいな、と心が暖まるのよ。
観ないとわかんないから劇場へ走ってください。

衝撃的だったのはインド映画ではキスシーンはまず御法度で、これまでそれを臭わせる演出でごまかしていたのを「あらま」という勢いで突き抜けてしまった。他の映画でそんなシーンありましたかね。

ジョージアの映画館で「ハングオーバー」のもろパクリ、しかも出来の悪いジョージア映画を見て、最初はこれもまたそのたぐいかと一瞬でも疑った私が恥ずかしい。

すでにあちこちでリメイクが決定しているらしいけど、うまく作れますかな。
この映画のよさはインドという国だからこそ成立したように思うんだけどね。

主演のアーミル・カーンはインドのトップスター、シャー・ルク・カーンと肩を並べる人気俳優で「ラガーン」という2001年公開の大ヒット映画で主演を演じました。ということはずいぶんのベテラン。44歳なんだけど、ちゃんと大学生に見えるから凄い。
カリーナー・カプールという女優が相手役なんだけど、私こちらの方はあまり積極的にアポローチしなくていいな、というタイプでございました。でも、この映画ではいい感じでアーミル・カーンと組めているね。

関係ないけど、アーミル・カーンもシャー・ルク・カーンもイスラム教徒です。
彼らに熱狂できるヒンドゥ教徒たちにこれからのインドの可能性を強く感じます。

インド映画に興味がない人にはつまんない記事でしたか。
一旦観るとはまるんだけどね。
是非足を運んでくださいな。

こちらの皆さんもアーミル、シャー・ルクの大ファン。尋ねませんでしたが私にはわかります。

このところ外国の方からのアクセスが大変多いので、日本映画以外はオリジナルタイトルも邦題の横に載せることにいたしました。