不思議なこと

今日の「ごちそうさん」。
オムライスは日本で生まれたんだぜ。あのオムライス、どうしても食いたい。

本題です。
昨晩銀座でウロウロしてして、さあ、帰ろうと一人になった時のこと。
いきなり斜め後ろからお嬢さんから声をかけられた。
「ご飯食べに行きませんか」
もてるなー、俺は、とは思いませんでした。
夜中にそんな風に声を掛けられても、またボッタクリかと疑うのが大人の常識です。
こんなこと生まれて初めてなんだけどね。

日本語に少しアクセントがあったんで聞きました。中国語で。
「中国人?」
「台湾です」
そうか、台湾の普通語(中国語の共通語)は聞き取りやすいんだよな。
「あなたも中国人?」
「我是日本人」
「すごく中国語上手ですねえ」
「えへへ。でも俺お金ないよ」
私はいつものカーゴパンツによれたTシャツ。
「君、声かける相手間違ってるよ。ピシッとしたスーツ着たおじさんがたくさんいるじゃん」
「怖いんです」
「俺は怖くないの?」
「優しそう」
「えへへ」
じゃねーよ。

そんなことを可愛い台湾の女性と話していたら、どこからかもう一人女性が現れて併走している。
しまった、囲まれたか、逃げなきゃ。
「本当はこの子が好きだった人があなたにすごく似てたんで、どうしても声をかけてくれって言われたんです」
すげーこと言い始めたけど。
「あなたも中国人なの」
「モンゴル人です」
なかなかこんなことないねー。
「君たち何語で会話してるの」
「日本語です」
負けるなあ。

「お腹がすごーく減ってるんです」
「ペコペコなんです」
おなかが減っているらしい。
「君たちどこかのお店で働いてるんでしょ。ちゃんと食べてるんじゃないの」
「アフターで連れて行かれたんですけど、一軒飲みに行ったら、もう帰れって追い出されたんです」
「そんなのひどいじゃん。タクシー代くれなかったの」
「こんなことよくあるんです」
「よくあるって、この時間じゃ電車ないじゃん」
「ありませんよ。朝までマクドナルドとかにいるんです」
「あらま」
「でも、おなかが減ってるんです」
ぶれないね、君たち。

「何度も言ったけど、俺お金ないよ。見ればわかるでしょ」
「はい」
「なんで俺なの」
「私が好きだった人に似ているから」
「貧乏な人が好きなの?」
「お金じゃありません」
「何が食べたいの?」
「ラーメン食べたいです。あっちに190円のラーメン屋さんがあります」
どうもおかしなことになってきた。
夜中に中国人とモンゴル人の女性に190円のラーメンをおごる私。
190円なら君たちそのくらいお金あるでしょ。
「東京はお金がかかります。家族にお金送るんで貯めたいんです」
泣かせるなあ、とは思わなかったけど、どうも危険は既に回避していることがわかってきた。

でも、自分の知っている店の方がより安全だな。
たこ八に連れて行った。
ビールと明石焼。
「おでんも食べていいですか」
「いいよ」
地味に頼んでいる。
途中でいくらになっているか店員さんに聞いてみた。
「あなたタクシー代残しとかなきゃ」
だから聞いてるんだよ。
「でも、君たちにあげるタクシー代はないよ。本当にないから」
財布の中を見せた。万札は入ってない。数枚の千円札が淋しい。
「私たちは始発まで待ってるから大丈夫です」
私が悪者のような気がしてきた。

牛すじ煮込みを食べた中国人のお嬢さんが店員の方にいきなり声をかけた。
「これ持ち帰りにして下さい」
「全然食べてないじゃん」
「私一日5回ご飯食べるんです。一回に少ししか入らない。たこ焼きも持って帰って3つずつ食べます」
「あっそう」
じゃ、この娘のたこ焼き頼まなきゃよかった。

「あー、お腹いっぱい」
「俺は帰るよ」
「はーい。私たち始発までマクドナルドにいまーす。ありがとうございました」
「じゃーねー」
「じゃーねー」

1000円ずつおごっちゃった。
何だったんだろうか。

よくわかんない話だったんで、よくわからない写真。
パガン、ミャンマー