やられてないけど倍返し

本日の「ごちそうさん」。
杏ちゃん、じゃなくて、め以子は顎に梅干しが作れます。

本題です。
昨日娘が耳にしたらしい。
話をしていたのは酔っぱらったサラリーマンじゃなくて、小学生だったとのこと。
「やられてないけど倍返し」
なんだか語呂がいいねえ、と笑ったんだけど、どういう意味なのかが分からない。

半沢直樹」はチャンバラ、水戸黄門、昭和任侠伝がごちゃ混ぜになったようなドラマで、久しぶりに涙を流さずカタルシスが得られる面白い番組でした。
ああいうのは瞬間的に半沢に感情移入できるのがいいね。

佳境に入ったあたりから、週刊誌の中吊り広告で嘘か本当か調べる気にもならなかったけど、「上司に『倍返し』増殖」「『倍返し』はやめた方がいい理由」「俺には『倍返し』はやめろ」「昔のことで『倍返し』はやめてね」、最後のは私の会社にいた方々へのメッセージでしたが、そんな見出しが躍っていました。

ブラック企業と呼ばれている会社では、そんなことを言えないからブラック企業なんだから、どんな会社で「倍返しだ」とやっているのかよくわからないんだけど、いきなりあの目で部下から「やられたらやり返す。倍返しだ」と怒鳴られたら嫌だなあ。
私はホトケの大倉だったんで、そんなこと言われる筋合いはないんだけど、どこで人を怒らせているかはわからないからなあ。
怒っている人に「どこで怒りました」と尋ねても、「なるほどね。そこで怒りましたか。でもそれはあんたが悪い」って言ってしまいそうだしな。

むしろ私の方が怒ることは多かったね。
「倍返しだ」と目を剥いてもよかった場面は数えきれないくらいあるじゃん。
あいつにもあいつにもあいつにも。
特にあいつには「100倍返し」でも足らないぜ。
でも、サラリーマン社会で「倍返し」ってどうやるのかしら。
半沢が握ったような証拠があれば土下座だってやらせられるんだけど、通常は「お前その言い方はないだろう」とか、「俺のせいにすんの」とか、「そんなに言うなら自分でやれよ」くらいのもんで、状況証拠ばかりで倍返しをする具体的証拠にはならないすよ。

みずほ銀行の融資問題なんかだと「ここはお前で止めてくれ。必ず悪いことにはしないから。2年辛抱してくれ。倍返しにするから」ってな話があってもおかしくないような気がしますがね。

おや、おかしなところで「倍返し」が出てまいりました。
小説もドラマも日本語がおかしいと無粋なことを言う気は全くありませんが、本来「倍返し」は贈られたものに対して倍額に相当するものを返すことでございます。
「ご祝儀は倍返し、不祝儀は半返し」という具合に使用しますね。

半沢はとんでもないものをいただいちゃったから「倍返し」にしてたんですね。
「どーも、今回は大変なものをいただいちゃったんで、是非これをお納めください。てめー、子会社へぶっ飛ばす」
ということだったんでしょう。
逆に「逆倍返し」になりましたが。
まだ続きがありますから、お楽しみにね。

さて、「やられてないけど倍返し」って面白いんだけど、これはもしかしたらただのいじめか?
やくざが因縁をつけるのと同じじゃないの。
アメリカがよくやってる「証拠はないけど、爆撃だ」ですね。
考えてみれば世の中「やられてないけど倍返し」ってすごく多いのかもしれません。
小学生、意外にいいとこ突いてるぜ。

昨年ラオスのホテルで結婚式の準備をしてる所に出くわし、でかい氷の箱を運ぶのをちょっとだけ手伝ったら「どうしても妹の結婚式に参加してくれ」と誘われ、深夜まで酒飲み放題の宴会で楽しく過ごさせていただきました。
あれは100倍返しだったな。

ウドゥムサイ、ラオス