御蔭参りぢゃ、抜け参りぢゃ

いよいよ福島原発の状況は予断を許さなくなってきている上、ベテラン作業員は線量限度を超えているんで要領がつかめない方々がかり出されていて作業効率は落ちるばかり。
もはや誰も何をどうしていいのかわからなくなってきております。
そんなことはない、じゃなくて、そうなの。
どんな作業をすればいいのかわからいけど、そんなことになっていることくらいわかるんだよ。

ここはもう、頭が良くて飲み込みが早く、国のために尽くすこと、国民の安全を保障することをご決断いただき、日本のリーダーにまで上り詰められ、コントロールが得意な安倍総理以下、安全だと信じていらっしゃる皆さんに乗り込んでいただき、自ら先頭に立って燃料棒を取り出したり、ボルトを閉め直したり、あと何をすればいいんだかわからないけど、いろんなことをやっていただくしか残された手はありません。
ありがとうございます。
汚染地区が無くなるまで帰って来なくていいから。

その間の国の運営は緊急事態なんで私がやっときます。
月給30万円でいいです。

さて、一安心の方々はお伊勢さんにお参りにまいりましょう。
式年遷宮も終わりましてちょうどいい季節になりました。
少し寒いくらいの方があそこは気持ちがいいんですよ。
今年は統計を取り始めて以来最高の1000万人を突破したそうでございます。
私は仏教も神道も好きなんでお伊勢参りにはこれまで二度行きましたが、またそろそろかな、と考えております。

伊勢参り遷宮があった年には、御蔭参りとも呼ばれておりますな。
今年じゃん。
御蔭参りしたいなあ。
御蔭参りの最大の特徴は上司や親に無断で参詣してもいいんだよ。
じゃなくて、そんなことになっちゃってたんだよ。
だから抜け参りとも呼ぶんだよ。

明和8年(1771年)の御蔭参りあたりから「おかげでな、ぬけたとさ」とみんなで歌いながら歩いていたなんて粋じゃないかい。みんなで歌って歩いて伊勢まで行こう。
のぼりも立ててました。卑猥なものを描いたりしてたものも多かったなんて浮かれちゃうね。
お囃子も老若男女が卑猥なことを並べ立ててたなんて、さすがはお伊勢さん。何でも受け止めてくださる。
きっと楽しいぞ。

明治に入って神道国家神道の様相を帯びてくると皆さん全く興味を失ってしまったようで「御蔭参りの面影もなし」って新聞に書かれるまで参拝者が減りました。
とにかく国がおかしなこと始めるとみんな気がつくんだよ。
民衆文化に余計なことすんじゃねーぞ。

しかし、近年の盛り上がり方は不思議なくらいでございます。
国民が右翼化していると分析する人もいますが、私はそうは思わないんですよ。
なんとかしてくんない、って人が増えてるのと、パワースポット大好き人間が増殖してるんじゃないかとにらんでんだけど。

そんなわけで、安倍大総理、福島にすぐに行って。帰ってこないで。
秘密保護法案とか私がゴミ箱に放り込んどくから、安心して思いを遂げてください。

みんなでこんな感じで行こうぜ。
ん?これはデモでした。
バクタプル、ネパール。