統合失調症の転回

本日の「ごちそうさん」。
め以子、蹴りだ、蹴り入れろ。

本題です。
一昨日、ある新聞記事を読んでしばらく考え込んでしまい、私が最近勉強してなかったからかと頭を抱えてしまった。
悪いニュースじゃないんで怒っているわけではありません。
ただ、私が信じていたことが根底から崩れてしまうようで、足下がおぼつかなくなっているだけです。
でも、ご心配なく。

滋賀県立成人病センターの谷垣健二専門研究員やジョンズ・ホプキンズ大学の澤明教授らの研究グループが精神疾患統合失調症(かつて精神分裂病と呼ばれていた病気)の発症の鍵を握ると見られている体内物質を発見した」と報道されました。
「この発見がいまだに原因が解明されていない病気の治療法解明に繋がると期待されている」とされているだけだが、もし、これで統合失調症に罹患している人たちが苦しみから解放されるのであれば、これ以上嬉しいことはない。
私が頭を抱える必要なんかかけらもない。

統合失調症は私達とはまるで関係ない病気ではない。
100人に1人弱がかかる病気である。

私の父親は精神科医で開業した頃は下関の自宅に患者さんを入院(といっても一緒に住んでいるようなもの)させていたので、精神病を患っている人たちとは非常に距離が近く、何の支障もなく生活していたので当然のことながら病気に偏見を持ったことはない。

一時は自分の頭の悪さを顧みず、医者になろうかな、と勘違いしたがそこはバカであっても気がつくのが私のいいところ。
高校に入ってすぐにそんなことは考えなくなりました。
ただ、大学で文学部に入ったところで急に精神病に興味が湧いて来て、本を読み始めました。
東京に来て、東京弁が話せないことで大学では誰とも話ができなくなって、少々へこたれていたのが原因じゃないかしら。
人と話せんのは苦痛じゃ。
コミュニケーション・ブレイク・ダウンじゃ。
テレビもないんで真似して東京弁を覚えることもできん。
たまに会って話をするのが下関出身者なんで、一向に矯正が進まん。
それを自分で乗り越えようとしたんかもしれんねえ。

フロイト飛び越していきなりR.D.レインを読んだよ。
「引き裂かれた自己」

ひき裂かれた自己―分裂病と分裂病質の実存的研究

ひき裂かれた自己―分裂病と分裂病質の実存的研究

「狂気と家族」
狂気と家族【新装版】

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やっぱり私が思っていた通り精神病は正に心の病で精神分裂病(当時の呼称)は「世界との間でひき裂かれ、自分自身の間に亀裂を生じる」ところから発症するのであると確信したもん。

それからフロイトユング岸田秀を読みあさり、そうやろ、そうやろ、と納得していたんだけどなあ。

詳しいことは何のことだかよくわからないんだけど、「異常の原因が、神経細胞の移動を促すタンパク質『ケモカイン』の一種と受容体の働きの低下にあることを突きとめた」そうであります。引用部分もここでいいのかどうかもよくわかりませんが、ま、そのようなことで治療法の開発につながる、と期待されているそうです。

まあ、世の中はそんなことになっていたのね。
知らんっちゅうことは恐ろしいことやね。

当時から物質によって引き起こされる、という説もあったんだけど、岸田秀が「脳を解剖しても何も見つかるわけがない」てなことを書いていたので、信じていたんだけど。
でも、岸田秀理論がすべて崩れさるということではないんで、しつこいけど興味ある人は「ものぐさ精神分析」から読んでみてね。

ものぐさ精神分析 (中公文庫)

ものぐさ精神分析 (中公文庫)

まだ、これですべてが解明されたわけではないんだけど、私には驚きのニュースでした。
また、私とは何だ、と考えることになるかもしれませんが。

やっぱし、またインドかも。
バナーラス。