昼からしこたま

大船から気儘に鎌倉へ流れる。嘘。
そもそも大船へ泊まったのは、昨日の鎌倉で行われる甥の結婚式に柄にもなく出席するためであった。
集合時間が早いんで、私の居住地からじゃ、どえらく早起きしなきゃいけなくなる。
ブログも書かなきゃだし。
鎌倉周辺でビジネスホテルを探しまくった結果、商人宿、ビジネス旅館津久井が一番安かったの。
大船なんだけどね。
だから大船には罪はない、じゃなくて大船には全く用がなかったの。
何かを期待していた人がいたみたいだけど、そういうことなんでごめんなさい。

しかし、似合わないことをして、似合わないことを書くので恥ずかしい。
結婚する本人達は幸せの絶頂なんだから恥ずかしいなんてことはないんだろうけど、どうして私は恥ずかしいのかしら。
結婚式に出席することなんか何十年もなかったからだ。

披露宴、二次会等を入れたとしても生まれてから10回も出たことないんじゃなかしら。
葬式ばっかり。
これからもっと増えるな。
結婚式なんて出ることあるのかしら。
同じ会社で働いていたお嬢さん達の結婚式には出なきゃならんだろうと思っていたんだけど、結婚しそうにないからそれはカウントしない。
すると、もう結婚式ってないんじゃないの。
忘れてた。
甥、姪があと5人いた。
5人もいんのかよ。
あ、実の娘もいた。
6回もあるんだ。
招待されればだけど。

結婚式に感動できなくなったのは以前勤めていた会社のせいだ。
こっそり仕事をしていたのでほとんど声をかけられなかったんだけど、たまに出席しても離婚しちゃうんだもん。
離婚した奴はご祝儀返しなさいよ。
勤め先だけじゃなくても私が知っている連中はほとんど離婚してるよ。
中には結婚式の様子見てるだけで、「こいつら離婚するな」ってわかるカップルもいますね。
女性の中には「結婚式だけした〜い」と言ってるのもいたな。
いろいろでございます。

昨日の結婚式は幸せそうだったな。
甥はモモイロを女性達と一緒に踊ってたし、楽しそうじゃん。
奥様もウェディングドレス着てなきゃ踊ったんだろうな。
たくさんのよく知らないオジサン達が「おめでとう。竹山君。梅原さん。結婚というのは三つの忍耐であります。まずひとつ目は」とか15分くらいずつやってくれちまうんじゃないか、と寝る準備をしていたら、4分しか時間を与えられていないらしく、ずいぶん手短にチャチャチャと終わってしまった。

私がいた会社の披露宴では上司が両家の皆さんが俯いてしまうような暴露話の連発で、自分の勤めている会社ながら恥ずかしいと思ったものでした。
私も一度だけ挨拶を頼まれたので新郎の普段の行状をそのままお話ししたら、新婦側の皆さんがシーンとしてしまって「みんなおなか壊したのかしら」と心配したんだけど、週明けそいつがやって来た。
「大倉さん、お願いしますよ。あれじゃホントにそうだと思われたじゃないですか」
「全部ホントじゃん」
「でも言わなきゃいいじゃないですか」
「あれ以外なんにも話すことないじゃん」
ああ、あいつは離婚してないな。
私が雨を降らせて地を固めてやったからだ。
感謝してくれてるかな。

ここで美男美女の新郎新婦の写真を。
お幸せにね。
でも、寄せ書きには念のために「ダメな時はダメ」と書いておきましたよ。

新婦の奈津子さん、こいつはハゲません。
母親の父がハゲてませんでしたから大丈夫。
よかったね。
新郎の冬人君、君が生まれて数年後にオジサンは外国に8年間も逃げちゃったんで覚えてないだろうけど、お父さんが君を空中に放り投げて虐待ともとれる幸せそうな写真を撮ったのは私だよ。
死ぬまで覚えといてね。

私は飲みましたよ。
からしこたま何から何まで飲んだ。
出される酒はすべて空にした。
ああ、いい日だな。

最後の新婦からお父さんお母さんへの手紙と花束贈呈?
あれはどうなの?
私は絶対にやめていただく。
やりたいんだったら、どこかで井戸を探して来て、そこに思うところを叫んでくれや。
私は聞かん。

帰り道が遠かった、んだけど、電車に乗って気がついたら東京駅。
酒飲めば近い鎌倉だ。

忘れてた。
ジャニーズが一人紛れ込んでいた。
どこからどう見てもジャニーズなんだけど、本人は否定するんですよ。
「モテんだろ」
「モテません」
「本当はモテんだろ」
「本当にモテません」
「どうして嘘つくの」
「嘘ついてません」
酔っぱらったオヤジはたちが悪い。