謝る

本日の「ごちそうさん」。
なんで同居してんのかがわからない。別居だろ。話がつまんなくなってもいいから別居。

本題です。
半沢直樹が土下座を流行らせて以来、謝罪が大人気。
謝罪の方法特集やってる雑誌もある。
日経でも「人としての器量問われる」と別刷りで特集やってますよ。仕事の上のことだな。

そうしたら、テレビで朝から坂東さんが泣きながら謝っているのが聞こえて来た。
内容は私はどうでもいいんだけど、切れ切れに聞こえて来たのが「実は・・・私・・・この15年・・・20年植毛をしておりまして・・・ズラは経費で落ちると聞いておりました・・・それで・・・植毛も同様かと・・・」。
脱税はやめてくれよ。
植毛をしてたから脱税してましたじゃ、ハゲがみんな疑われるんじゃないの?
「ハゲはみんな脱税してる」
「ハゲはみんな植毛したがっている」
こういうことがハゲ差別につながるんじゃないかと怒っているんだけど、コメンテイターの方々はそっちをつついていなかったな。
ハゲからの反応を恐れたのかも。

日経の記事でNGの謝罪は以下のもの。
*メールで謝る。
 絵文字で土下座のマークをつけている。
 本当にそんなことやる奴いるのか?「メールで謝っときました」ってやんないだろう。やんの?
*休日に出向いて謝る
 私の場合は休みがいつだかわからないんでいつでもいいんだけど、パジャマでいるところに来られても困るでしょ。「明日は 無理」と断ったら、その後一切連絡ないそうです。
*オーバーリアクションで耳を傾ける
 肩を落として目はうつろ、「おっしゃるとおりでご・ざ・い・ま・す」「こ・と・ば・も・ご・ざ・い・ま・せ・ん」じゃミ エミエである。
*土下座で謝る
 半沢の土下座は好きでやってるんじゃないからね。親父の葬式でなぜか読経の最中、生花が大崩れしてバックヤードが大騒ぎ になったことがある。誰も怒ってないし、一昨日結婚した甥を含めた孫連中は爆笑。それでも責任者の方がカエルのように床 にペッタリ張り付いてお謝りになったことがあった。あれは土下座を通り越して床で平泳ぎの練習をしてるみたいだった。
 怒ってないのにやられると、こちらが悪かったような気がしてくる。
*謝罪で法律を持ち出す
 謝ってないっちゅーの。これ以上のこと言うと弁護士出します、って感じ。

ということなんだけど、日本人は謝らせるのも謝るのも好きだな。
謝ればすむ、という文化が根付いているせいだ。
「謝ればすむんだったら警察はいらん」という常套句があるけど、結構謝ってすむことが多い。

ロンドンで働いていたころ、やっぱり謝りのタイミングが全然違うと実感していました。
基本謝んないから。
どうしてこうなった、という説明はするんだけど、私が悪かったとは言わないんだな。
あー、腹立つ、と何度も思ったが、日本語ペラペラのイギリス人にこういうふうに言われたことがある。
「日本人は謝るのが好きねー。謝ればそれで解決すると思ってるみたい。ちょっと卑怯だと思うことあるよ」
なるほど。
どこかに少し真実が含まれている気がしないでもない。
不祥事があったときズラーッと偉い人が並んで、せーので「誠に申し訳ございませんでした」と頭を下げるのは気色悪いし、本気じゃねーだろ、と疑っちゃうもんね。

なかなか難しいとこだわ。
福島の事故で私が悪うございました、って謝った人間いないしな。
謝ってすまないことは謝んないのも日本人だ。

私はビシビシ仕事をしていた時は謝るのがすごく得意だった。
謝りようによっては相手の信頼を得ることも可能なのよ。
えへへ。

旅行者が絶対に入ることのない市場で写真を撮っていたら「邪魔だー!」と怒鳴られたけど、笑顔で「ごめんね」と謝ったら笑顔で許してくれた。
南インドの人は優しい。
カヌール、インド。