天皇陛下会見

本日の「ごちそうさん」。
お節は「お幸」というのはどうでしょうか。

本題。
私は以前も書いたが天皇制に反対の立場を取っていない。
これまでの日本の歴史を振り返ればほとんどの時代を通して天皇が絶対的権威・権力を持っていなかったことは明らかで、常に都合良く時の権力者に利用され、時には殺し、殺されの惨劇の中心にいた。
ただ、天皇という存在は極めて日本的な八百万の神のように、あるいは西行が詠んだ「なにごとの おはしますかは しらねども かたじけなさに なみだこぼるる」的な伊勢神宮の奥に隠れているもの、人知を超えた「なにごと」、自然崇拝の象徴としての天皇に共感するところがあるからである。

いきなり「象徴」と言われても何がなんだかわからないのだけど、これほどわかりにくい制度が続いて来たということは、その存在理由はあえて問う必要はないと飛躍して考えている。

昭和天皇の戦争責任についての議論はよく把握しているつもりだが、天皇機関説に激高して、天皇統帥権を確たるものにした連中こそ、正に天皇統帥権を無視して突っ走ったとんでもないバカどもである。
満州事変に際して天皇は戦線の拡大に反対の立場を明らかにしており、関東軍の暴走を食い止めようと当時の南陸軍相に何度も釘を刺していた。
それを無視し、統帥権干犯で朝鮮軍(朝鮮にいた日本軍)を越境出兵させたのは石原莞爾である。

ポツダム宣言の受諾を決意したのも昭和天皇である。
それを再度無視し、玉音放送妨害のため銃を向けたのも天皇統帥権を強く主張していた現実無視のどうしようもない軍人。

昨日の天皇誕生日今上天皇がかなり踏み込んだ発言をしたように思える。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました」
一部だけの抜粋ではあるけれどこの言葉は重い。

天皇は政治的発言をしてはならないが、現在施行されている日本国憲法に言及することは不自然ではない。
憲法改正反対とは言っていないが、現行憲法への思いがにじみ出て来ているように感じられる。
天皇が発言したことを何でもありがたがる、ということは危険であることは承知しているし、今回の発言も勝手な解釈で「陛下がこう仰っているのだから」と言うつもりはない。
しかし、何か事があると「不敬」「非常識」「非国民」「国賊」と罵る連中はこの発言をどう受け止めているのか大変に興味がある。
今上天皇は昨日「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていくつもりです」とも仰った。

伊勢神宮