ホストになれるかしら

本日の「ごちそうさん」。
どこぞの阿呆が「ラーメンは禁止」って言うてみ、暴動起こしたるわ。

本題。
ある時期、仕事がな〜んにもなくなって、どうやって暮らすかしばらく悩んだことがございます。
いろいろオプションがあるねえ、と最初は気楽なオッサンだったんだけど、じっくり考えてみれば手に職があるわけでもないし、特別頭がいいわけでもない。
物書きもいいな、作詞家はどうかしら、バンドで花咲かすか、もう夢遊病者のような毎日。
そんなときにホストクラブってのがあるな、と一瞬世の中が輝いて見えました。
しかし、私の頭はすでにその頃から淋しい状態になっていて、坊主に近い趣。
何やるんだかもわからなかったんですぐに断念したぜ。
あの道も本当はあったのかもしれない、と今になって思ったりなんかして。

一昨日はタイノスの新年会。
タイノスってのは私が一応社長をやっていた会社です。
なくなってもう6年以上たつのにいまだにそんなことを続けているのはおかしいねえ。
ともあれ、女性が多い会社だったんで、年に何回も催される宴会に男は私を含め二人、三人。
女子会に男が間違って入っちゃったようなもんなんだけど、昔からそうなんで違和感がないのでございます。

今回は歌舞伎町の四川料理の店、と決まったんだけど、あの辺りにはもう20年くらい入り込んだことがないので、地図を見てもどこがどこだかわからない。
歩き回っているともうびっくり。
キャバクラ、クラブと女性のいるお店よりも私の目に入ってくるのはホストクラブばかり。
こんなとこだったかしら。
女性のいるお店でもお嬢さんたちの写真が入り口に飾ってあったりするんだけど、ホストクラブの写真のでかさはハンパないっすよ、先輩。
私には髪の毛の色くらいしか見分けがつかないヤングの顔写真がナンバーワンから10位くらいまでジャーンと並んでいたり、一人だけがドーンと打ち出されてるのもございます。
こりゃまいったね。

四川料理のお店でその日は5人の新年会。
男はまた私一人だわ。
ふふ、みんな楽しそうじゃん。
まるで私がホストみたいじゃん。
「はい、紹興酒一本いただきましたー!」みたいな。
「はい、滝村様からもうイッポーン!」みたいな。
「アヤさんからもいただきましたー!」みたいな。
「アキさん、ジャンジャン入りますー!」みたいな。

そんな感じで夜は更けていくんだけど、気になっていたので皆さんにお聞きしてみました。
「この辺りホストクラブがやたら多くないっすか」
「あら、そうお?」
「すごかったじゃん。見てないの」
「来た道が違うからじゃない」
「いや、すごくあった。どこ見て歩いてんの」
「そういえば、私ホストクラブに行ったことあんのよ」
ここからは滝村の独壇場。
「ホストクラブっておばちゃまたちがグルグル回されんのよ」
「さっぱりわかりません」
「男の子にね、ダンスフロアでグルグル回されて、すごく楽しそうなの」
「それはいいや、自力で行ったの?」
「お友達からお誕生日のプレゼント、何がいい、って聞かれて、何かびっくりするもの、って答えたらホストクラブに連れて行かれたの」
「ドンピン抜いたの?」
「いやーね、人のお金だからそんなことしないわよ」
この滝村は会社で飲みに行くと知らない間に勝手にシャンペン何本も開けていたので、私には非常に評判が悪かったんです。
「楽しいの?」
「楽しいわよ〜。でね、六本木でも行ったことがあんの」
「え〜〜〜!!」
「あのね、六本木をお友達と歩いていたらホストクラブの男の子に、どうしても今日はお客さんを連れて行かないと俺たち罰金なんす、お金は俺たちが払うんでお願いだから来てもらえませんかって」
「行ったの?」
「行ったのよ」
「ドンピン抜いた?」
「抜かないわよ〜。本当にただだったんだから。なんかね、ホストクラブってノルマがあるんで大変らしいのね」
「そのあと、そのお店に行ったの?」
「行かない」
ま、このお嬢さんとそのお友達は怖いもんなしだから、どこにでも行くのね。

昨日は二日酔いの頭でホストクラブか、俺、雇ってくれるかな、と調べてみたんだけど、年齢制限とか書いてないんだよね。
56歳、ハゲてます。
じゃ、ダメかな。
「熟年ホストが時々説教してくれます」
これは殺し文句にならんだろうか。

ナンバーワンにならないときついらしいっすね、先輩。
ナンバーワンになれますかね。
テッペンとるぞー、なんちゃって。
あ〜、もう自分がバカで嫌だ。

この数字本当かどうかわからないけど、調べていたら出てきました。
歌舞伎町、ホストクラブ、209軒。