蛸壺都知事選

本日の「ごちそうさん」。
嫌な時代や。この時期はすでに日本は満州国を「独立」させ、中国への侵略戦争エスカレートさせていました。

本題。
都知事選の結果が出たら(というよりも8時ちょうどにNHKが当確を打った)、FBは各人の思うところの投稿で埋め尽くされ、それをただ見ていましたが、やっぱり唸りました。
選挙は結果です。
都知事になるために競うわけだから都知事にならない限り「次に繋がる」とか「上をビビらせたかった」とか言っても、少なくとも任期中は掲げた公約を実現すべく権力を行使できないのだから「負けました」以外ないでしょう。

結果は舛添氏が勝って都知事になるという事実だけです。
私がどの候補に投票したかはここでは言わないけど、想像はつくでしょう。
落選しました。
このブログを読んでくださっている方の中にもいろんな考えをお持ちの人がいらして、私が投票した候補と対立する考えを持っている候補に入れたということがあっても全然おかしくない。
むしろ健全だと思います。

FB上での「友達」もみんなが同じ方向を向いていたとは思いません。
政治的発言については一切書かない反応しない、というポリシーを持っている方もいるでしょう。
それを非難するなんてこともありません。

私は投票率がかなり低くなるだろうと報じられ始めた時点ですでに結果は判明してしまったと非常に落胆いたしました。
46.15%。
選挙結果にも落胆しましたが、この数字に絶望感を覚えました。
もっと多くに人が足を運んでいたら結果は違っていたかもしれない、とか、死んだ子の歳を数えるようなことはしませんが、この数字の意味するところがわかりません。
政治学者や有識者と言われる人がいろんなことを今日明日お話をされるんだろうけど、多分どのような話にも納得できないと思います。
「争点が見えない」選挙では決してなかったし、ある意味日本のこれからを占うものであったはずです。
早い話「行く気にならなかった」「何も変わらないと思った」「興味がなかった」というところでしょう。
今回の選挙の世代別の投票率が発表されていないので確たることは言えませんが、前回の選挙をふまえると20代の人の投票率はかなり低かったのではなかろうかと推測します。

あれだけSNSで「繋がっていて」、常に情報のやり取りをしている若い人が選挙に関しては沈黙。
選挙は私のような60近い人間が躍起になるのではなく、若い人がこれからの日本を考えて行くためのものである、という勝手な思い込みがおかしいのでしょうか。
いずれにせよ、選挙についての考え方に深い溝があると思わざるを得ません。

組織票という名前の票があるわけではないんだけど、今回舛添氏に入った票は自民党公明党支持層からのものが多数であるとされています。
簡単に組織票と言ってしまうとその中身がわからなくなるんですが、利害が一致する、利害とは関係なくとも考えるところが一致する人たちの票のことを指すものと思われます。
非常に近い関係性を保った人たちが推す人を決めて動いたということです。
そういう組織に入ったことがないので、どのような交流がなされているのかわかりませんが、選挙演説に人が集まるということとは無関係に入れるということが決まっているので、演説で心変わりする人は多くないのでしょう。

選挙に限ったことではないのですが、前から気になっていたのはSNSで「友達」になる人はほぼ同様の考え方をしている傾向が強いですね。
わざわざ「友達」という集まり方をするわけですから、まるっきり逆の考え方をする人が集団を作るということは考えにくい。
実際、私の「友達」には20代の人は少ないし(年齢は内緒の方も多いのですが)、そういう方と政治についてオンラインで議論になるようなことはほとんどありません。

私は蛸壺の中に入って、ああじゃない、こうじゃない、ふざけるな、いいかげんにしろ、とお互いにうなずき合っていたような気がします。

どの国でも政治についてのテレビ討論会なんかになるとあまりにも議論がヒートアップしてしまい、相手の言っていることを聞く聞かないを通り越して、暴言を吐く、殴る、椅子投げる、という光景はそれほど珍しいことではありません。
議論というのはなかなか難しいものだな、と感じます。

自分が居心地のいい場所を見つけるのは悪いことではありませんが、それだけでは政治に声を反映させる手段にはならないものだということです。

私は私と考え方が異なる方々とじっくり話をしてみたいと感じ始めています。
私の考え方も伝えることができたらいいな、と思います。
それには何らかのスキルが必要なんだと思いますが、まず聞くことから始めないといけないのか、と一晩考えてそういうことになりました。
選挙に行かなかった若い人たちとも話をしてみたい。

昨日、選挙結果が出てからいきなりブログを書き始めたら、おそらく頭から湯気出したようなことを書いていたと思いますが、現在少し落ち着いています。

投票所には娘と一緒に行きましたが、投票をすませたあと「初めて投票したご感想をお願いします」とマイクを向けると「大人になったような気がする」と申しておりました。