方向音痴

本日の「ごちそうさん」。
状況はどうあれ、お父さんがカバンを落としたことにえらいリアリティを感じる。

本題。
昨晩はちょっとした打ち合わせがあって、居酒屋で待ち合わせをしました。
早めに着いて、どうしようと困っていたら最近流行の地元名産のおいしいものを売っているなんとか県のお店がいくつもあったので、いいもの見つけちゃったと大喜び。
こういうところをくまなく廻って、ああ、これはこういう機会にこんな酒と合わせるとたまらんな、と夢想するのが今一番好きかな。
おばちゃんみたいでしょ。
おばちゃんバカにしてないからね。

二日酔いでない時の私の食事は大変に遅い。
酒飲まないと5分で食うのに、酒が入ったときには何時間でもグダグダできる。

そう言えば、先日40前のアートディレクター(女性)と待ち合わせていたら、来るなりモジモジしていた。
おしっこなら先にして来いよ。
違っていました。
「大倉さん、私太ったと思いません?」
どうかな、人の体重管理したことないからわからないんだけどな、と上から下まで見渡すと丸くなっている。
非常に丸い。
「太ったな」
「ああああああああああ、やっぱり、そうでしょ。タバコやめたんですよ。そしたら太ったんです」
「食うからだよ」
「そうなんです。タバコがないんで何かいつも食べてるんです。口淋しいって言うんですか」
「食うなよ」
「え〜、食べるじゃないですか。チョコとか」
「食わねーよ」
「それからですね、私食べるのすごく早かったじゃないですか」
この人は皿が出てくるととんでもない勢いで食べたいものだけ食べて、「あ〜、お腹いっぱい。大倉さんいつまで食べてるんですか」とかって放題の食事を楽しまない人間の典型だった。
「でもですね、でもですね、タバコやめたらいつまででも食べられるようになったんですよ」
「食うなよ」
「いや、食べるんですよ、そしたらね私の体重何キロになったと思います?」
「知りませんし、言われても適正体重がわからないんでびっくりもできません」
「じゃ、言いますけどね。身長は○○、体重は○○」
たまげた。
「お前、2ヶ月でそんなになったら、このつぎ会う時はお相撲さんになってんじゃないか」
「おおくださん、わだじでずよ、とか言っちゃって?」
「よくそんなこと言ってられるな。痩せたいんじゃないの?」
「痩せたいです」
「食うなよ」
「あ〜、どうしよう」
結論が出ない、というか、結論を出したくないそいつの訳の分からない弁明をしばらく聞いていた。

なぜこんな、本題とは何の関係もない話を書いているかと申しますと二日酔いだからです。
そんなわけで、なんとか県の名産品をあれこれ手に取って吟味していたらすでに待ち合わせギリギリの時間になった。
まずいね、急がなきゃ、とうろ覚えの場所に向かって足を速めていたら、ない。
店が消えちまった。
一度連れて行ったもらった店で、こんなにわかりやすいところってなかなかないよな、と信じていたのに。
そこいら中を走り回って汗びっしょり。
店に電話をかけて恥ずかしながら場所を確認。
「○○が見えますね」
「はい、目の前です」
「それを○○方面に行っていただくとすぐにわかりまーす」
「はい」
走ったがない。
異次元の旅人かよ。

ということがありまして、予約した私が迷いに迷ってたどり着いたときには相手はあきれた顔。

そんなことがよくあります。
白金高輪でも5分でたどり着くべきところを30分かけたことがある。
そこも私が知っていたお店で、一番についていなきゃいけないはずだった。
メリーランドのフラットからワシントンDCのナショナルエアポートまで3時間かけたこともある。
泡食って事故を3回起こしそうになった。
普通ならせいぜい30〜40分?

約束のない、一人旅の時は迷って当然、どうにでもなる、と思っているので絶対に「迷う」ことはない。
目的地がないし。

人間、目的地を持つものではないな、という二日酔い阿呆の戯言でした。

迷わない人ってどういう風にできてんでしょうか。

ミャンマーヤンゴンのカンドージー湖。
ここを目指して行ったら徒歩30分のところ2時間かかった。
だから目的地作っちゃダメなの。