オバマ来日と警棒

昨日は朝から珍しく出かけたりなんかして、ああ、外で働くってこんな感じ、って新鮮な気分。
雨が降っても初めての人に会うというだけで少しだけ気分がシャキッとするから不思議なもんね。
普段なら「雨が降ったらお家に居よう」だもん。

しかし、その私の気分のいい朝の空気は市ヶ谷でJRに乗り換えたところから激変してしまった。
ホームに上がると目つきの悪い制服を着た三人組が横に3人並んで警棒を片手に持ち、オラオラ顔でこっちに寄ってくんじゃん。
あれは誰だい。
もしかして官憲か?いや、警官か。
なんだよ〜、お前ら。
慌ててダッシュで彼らから遠ざかろう、としたんだけど、一瞬のうちにそうなるとどういうことになるかを頭の中で計算してしまっていた。
逃げれば追ってくるのが、あの方々の習性でしょ。
私が全速力でダッシュしようとしても何しろ膝を痛めてるんだから、全力でダッシュなんてできないんだったぜ。
追いつかれて肩をつかまれる。
「何すんだよ!離せよ!」
二人掛かりで振り向かされ、一人余った警官に「なぜ逃げる」と恫喝される。
「うんこだよ!」
「トイレは下だろうが」
「そんな余裕なかったんだよ。なんならここでするか」
「おー、やってみーや、やってみー」
「おら、お前らワシをとりにきたんかい」
「お〜?とって欲しいんか。そんならとっちゃろうかい」
「とってっみーや。とってみー」
もう私はその時点で両肩と頭をホームに押し付けられて、警棒でつんつんされているんじゃなかろうか。
ここは市ヶ谷、広島県、って感じだな。

スーツにネクタイの方々の中でよれたジーパン履いて、シャツに20年以上前、ロンドン、オックスフォード・ストリートにあったオリンピアという安いお店で買った何とも形容しがたいウィンドブレーカーというかジャンパーみたいなものを羽織っている私は嫌なんだよ。(この曰く言いがたい代物はかつての私の部下、伊藤由佳には極めて評判が悪く、「おっちゃんあれだけは捨てな」と何度も警告を受けている)
本来目立たない服装のはずなのに、その時間のJRじゃ逆目立ちするから。
猫背をさらに折って、ほとんど小学生くらいの背丈になってやり過ごそうとしている自分が情けない。
目もうつろに泳いじゃってさ。

だけどさ、なーんで警官3人がわざわざ警棒を抜いて、1人は片手にパンパン当てながら、並んでイヤーな顔して歩いてんだよ。
それもダラダラダラダラ。

そんなにバカじゃないからオバマ来日に向けて警戒を強めてるってことのようだな、ということくらい理解するし、テロなんて起こって欲しくないのは私だって同じだよ。
しかし、朝のホームで警棒抜いてうろつくのが警戒警備なんかい。
私には一般市民に対しての恫喝としか思えんな。
「お前ら、少しでも騒いでみーや、ほれ、この警棒がのー」って幻聴が聞こえてくるんだけど。
試しに「オバマ来日ハンターイ」って大声で叫んでみようかと思ったんだけど、やめました。
別に反対でもないし、警棒でボコボコにされるのも嫌だしな。
ただ、どういう意味があって警棒ブラブラさせているのかだけ教えてもらえんでしょうかな。

一般市民が警棒をそうやってブラブラさせて歩いていると逮捕されます。
あれは凶器ですから。
「ワシはオバマ大統領を守るために自主警備しちょるんじゃ」といくら主張してもダメです。
逮捕されます。

明日来るんでしょ
来るのはかまわないけど、あの目障りな警棒付き警官だけは目立たないところに隠しといてくれんかのー。
明日、明後日の夜は会合があるんで街に出るんじゃけど、ワシはビビリあがっちょるで。

数寄屋橋次郎に連れて行くっちゅーとるけど、わざわざ言うなや。
もし本当にテロを警戒してるのなら黙って連れて行けばいいことなんじゃないの。
銀座が警官で埋まる日になるよ。

こういう格好なら警戒されんかいの。
バクタプル、ネパール。