チョコレート ドーナツ(ANY DAY NOW)

ようやく昨日観に行けた。
まだ思い出すと涙が出て来て、大変みっともない。
早く忘れたいけど、忘れたくない。

まだ70年代のアメリカはゲイがカミングアウトすることは大変稀で、その行為は社会的なポジションを失うことに直結するような時代。
愛する人も失うことになる。
私は愛なんぞ信じない、というとんでもないはぐれ者。
地球なんて救わない、と思い込んでいるけど、人を愛する、という気持ちは理解する。

設定を簡単な解説で読んで、またお涙ものだ、でも押さえとくか、程度の気持ちだったんだけど、完全に沈没してしまった。
「ANY DAY NOW」という原題を見て、ああ、あの曲のフレーズかと思いつく人を私は愛するな。
映画の最後に主人公の1人が舞台ですべての思いを込めて「I shall be released」を歌い始めた時に涙が止まらなくなってしまった。
ボロボロボロボロ、玉のような涙。

待ち合わせに間に合うようエンドロールの途中で出たんだけど、映画館を出ても泣きっぱなし。
少し遅れたんで、「ごめん、映画観てて」と余計なこと言ってしまった。
「どんな映画」と聞かれるに決まっている。
簡単に説明しようとしたら、また泣き出してしまって、もうなんなんだよ、オッサンが。

泣きたい人じゃなくて、愛を信じない、という人に見て欲しい。
フィクションの力を再認識した。