百瀬、こっちを向いてよ。

いくつかお勧めの映画があるんでまとめますが、タイトルは本日公開のものを。

オジサンは昨日は泣きっぱなしで、今も危ういんだけど、そんな俺が青春恋愛映画を観て、なんか文句ある?
モモイロクローバー(Z)って知っるかい?
ふふふ、私は時々テレビに出てくるんで見たことがあるぜ。
どんな歌を歌ってるのかは全然わかんないけど。

そのモモイロクローバーにいたんだけどさっさとやめて、いろんなことをやっていたのがこの映画の主人公を演じている早見あかり
中田永一が原作だったんで試写を観に行きました。
くちびるに歌を」が気に入って、BOOK BARで紹介したりしたこともありましたんでね。

くちびるに歌を

くちびるに歌を

ま、あれですよ。
少女マンガ的幸せ感と切ない感が詰まった映画ですよ。
泣かなかったし、高校生が下校時に手をつないで帰るという行為が許せない私としては腹の立つ場面もあるんだけど、気に入ったのが早見あかり
この娘はいいわ。
伸びますよ。
伸ばせなかったら事務所の社会的責任はでかいよ。
ちゃんとやってね。
向井理が出演してるってんで観に行こうと思っている方、それは意味がないんでやめたほうがいいです。
あくまでも早見あかり狙いでお願いします。

「そこのみにて光り輝く」
少し前に公開されたんだけどまだまだ観ることができます。
重量感は最近の日本映画の中では突出しているじゃなかろうか。
中上健次の描く土着的粘質的物語に少し共通したものを感じる映画。
私は読んでいないんだけど、1990年に自死した佐藤泰志の「海炭市叙景」が原作。

海炭市叙景 (小学館文庫)

海炭市叙景 (小学館文庫)

役者のキャスティングですでにこの映画の出来は決まっていたということだろう。
綾野剛池脇千鶴、脇もしっかり。
でもなんで綾野さんはあんなに痩せてんの。
すでにお分かりかと思うが、私は池脇さんが大好き。

あなたを抱きしめる日まで(Philomena)」
Mがただのおばあさんになっていると思ったのは一瞬で、やっぱりジュディ・デンチジュディ・デンチだった。
特定の宗教を非難するつもりは毛頭ないのだけど、どんな宗教でも必ず過ちを犯すものだということを痛感。
この映画は実話に基づいているので、そのやり切れなさに絶望するのだけれど、それを救ってくれるのが一番絶望しているはずのジュディ・デンチだというところにまた泣くこととなる。
ただ、実にうまくイギリス的ユーモアを交えて描いているので、エンターテインメントとしても成立していることは申し上げておいたほうがいいかも。
いい意味で言っています。
宗教の欺瞞と寛容、個人の絶望と赦しを見事に描いています。

これに似た実話、マーガレット・ハンフリーズの「からのゆりかご」をジム・ローチが「オレンジと太陽」というタイトルで映画化している。

からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち

からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち

こちらもあまりのことに言葉を失う。
もうDVDが出てるんじゃなかろうか。

本日のBOOK BARでは本屋大賞翻訳部門第一位の「HHhH」を取り上げます。
一筋縄では行かない小説。
お聴きいただければ幸いです。
J-WAVE、夜11時20分から。