コインランドリーの思い出

もう少しまともなことを書こうと思っていたんだけど、二日酔いでもないのに頭が真っ白なんで昔話でも。

一度書きましたが、私は大学に入ってから日吉にしばらく住んでおり、毎日学校との往復ばかり。
アパートから大学まで25〜30分も歩くので、一度アパートを出るとすべて必要なことをすませてしまうという心がけで暮らしておりました。
具体的に申しますと、洗濯を授業の合間にすませるということでございます。
世の中で一番でかい紙袋に汚れ物をパンパンに詰め込んで、授業に出ます。
東京の言葉が話せない私に第二外国語のクラスメートが私の佇まいが淋しそうなので声をかけてくれます。
「なに、なに、何持ってんの」
「洗濯物」
「・・・」
「いや、洗濯しないとね」
「学校で洗うの?」
「いや、トイレじゃ洗わないよ」
授業が一コマ空くと私は学校近くのコインランドリーに飛んで行って、乾燥まで終わらせるという凄技を身につけることができました。

それ以来、私が紙袋を持っているのを見かけるとみんなが「大倉君、今日はお洗濯?」と尋ねてくれる。
少し親しくなったかな。
ああ、悲しき大学生活じゃないか。
私は洗濯男としかみんな認識していないんだもん。
下駄かサンダルだったしな。
ちょっと変な奴じゃなかったのかな。

その後、私は中野に引っ越しました。
コインランドリーで読書が習性だった私。

話はずれますが、コインランドリーの空の洗濯機、乾燥機の中にたまに忘れ物が残っている時があります。
なぜか女性の下着であることが多いんです。
あれはなぜ?
とても困るんで、女性の皆様、端から端まできちんとさらっていってくださいね。
どうしようもないんで、分かりやすい場所に置いとくようにしてたんだけど、その場面を目撃されるとこっちが変態に見られるでしょ。

ある日、いつものようにコインランドリーで読書。
お姉さんが声をかけてきました。
淋しそうに見えたかな?
「ねえ、これどうやって使うんだっけ?」
「洗剤は自動販売機で売ってます。お金を入れれば全部自動でやってくれます」
「簡単なのねえ」
「簡単ですよ」
「なんかさあ、ずっと洗濯しないで置いといたら下着にカビが生えてきちゃってさあ」
「はあ」
微笑むわけにもいかず、ただ困惑する大倉。
お誘いをいただいているのであれば、もう少しましなこと言うでしょ。
「下着にカビ」で「ご飯奢ってください」とはお願いできない。
おかしなお姉さんはその後もブツブツ私に聞こえるように何事かつぶやいていましたが、瞑想に入っていた私には聞こえてたんだけど、聞こえないふりができました。

実はこれ以上の続きがない話で大変申し訳ないんですが、まだ青いつぼみだった私には結構衝撃的な出来事で、今でもその時のことを鮮明に覚えています。
ちゃんとカビ生える前に洗濯しろよ。
これからの季節は特にな。
頼むぜ。
変なこと書いちゃったよ。

だいたい銭湯にくっついてたね。
これは下関の繁華街にある懐かしいやつ。
今もあります。