グランド・ブダペスト・ホテル(THE GRAND BUDAPEST HOTEL)

ブダペストの街は最高だな。
あの路地をさまよっているだけで私は19世紀の世界に迷い込み、ため息をつく。
ブダペストに行ったことがない私がそこまで言い切っているんだから間違いないんじゃないかな。

なことを思いながら劇場に行ってみたら、もんの凄い客の数。
どうしたらこんなに観客が入るのか誰か教えて。
フリーター以外は平日の昼間の映画鑑賞禁止だぜ。

さて、ワクワクしながら待っていたらなんとこのホテルはハンガリーにはないことが判明。
ズブロッカだって。
ズブロッカか、またイカした名前の国を作っちゃったじゃねーか。
あれか、出演者全員アル中か?
と、くだらないことを考えている余裕なく容赦なく映画は進行して行く。
でも、冒頭のモノローグはすぐにジュード・ローだとわかったから俺は凄いね。

速い、速い。
こういうテンポの映画は実に気分がよろしい。
ストーリーはしっかりしているのに、あんまり進行が速いもんだから画面から一瞬たりとも目が離せない。
そんな中、劇場のどこかからいびきが聞こえてくるから世の中わかんないもんだ。
感動で涙が枯れる映画でもないし、胃に鉛を突っ込まれるようなものでもないけど、これはまさしくプロが作った映画。
チラシにはなんやかんや余計な解説が書かれているけど、意味ないから読まない方がいいですよ。
なんで「冒険ミステリー」とか「伝説のコンシェルジェ」とか「莫大な遺産争い」とか書いちゃうんだろう。
コピーライターが書いてるんだろうけど、こいつクビでいいよ。
もし知り合いが書いてたら許してね。
「ピッタリの解説」って書き直します。
シアーシャ・ローナンが大事な役で出演しているんだけど、アイルランド人なのよ。
こんな娘さんがいるところにこの夏長逗留するかと思うと心が浮き立つわ。

劇場でご覧になりたい方はとにかく早めにチケットを押さえておくことをお勧めします。
金曜の昼間っから満席なんだもん。

あとエンドロールで流れる曲も凄く楽しいから明るくなるまで出ない方がいいですよ。