ロンドンを発つにあたりまして

この記事をアップするのはダブリンの宿に着いてからになるはずなんだけど、おじさんあんまり面食らっちゃったんで、日記代わりに、というか、実際日記なんだけど記録に残しとこうと思いまして。

私は長い療養生活を終え、これからアイルランドの首都ダブリンにブリティッシュ・エアウェイズで向かうところでございます。
すでに指定されたターミナル1ゲイト80に一人ひっそりと座り込んでおりまする。
このターミナル1はUK国内、アイルランド行きの便がほとんどで、なんつーの、一番頻繁にイギリス人には使用されると思われるとこ、だと思ってたんだけど、よく考えてみれば、こちらに住んでいた頃は、飛行機で国内を移動することなんかほとんどなくて、だいたい車だったんですよ。
大倉は車が運転できないと思い込んでる方は意外でしょうけど、私は長距離も運転してたのよ。
日本じゃやりませんけど。

だから、ターミナル1の構造には疎くて、特にアイルランドには一度しか行ったことがなかったんで、どうなるのかしらと、不安で不安で、というのは嘘で、表示に従って粛々と進みました。
イギリスは出国の時はパスポートコントロールがいつの頃からか無くなって、セキュリティチェックを終えると、私はもうゲイトに一直線。
入国の時はいつまでいるんだ、次はどこへ行く、あなた、ハンサムね、とかしつこく聞くくせに、出国スタンプを押さないから、いつ出たのかわかんないでしょうが。
それでいいのかね、と頭こねくり回してたら、おかしな機械で写真を撮るのよ。
セキュリティに向かう時と、アイルランド便ゲイトに向かう時。
この写真と入国した時の記録を付き合わせるのかしら。
ややこしくないすか?
パスポートの写真と実際のツラを見比べて、ポーンとスタンプ押しとけや。
その方が三方丸く収まるんじゃないの。

実はここまでは文句を言ってるんじゃないのよ。
不思議だな、と思っただけです。
腹が立つのはそこから先で、とにかく歩く、迷路のような狭くて薄汚い廊下みたいなとこをひたすら歩かせる。ゲイト80って言っても、そんなのどこの空港だってあるでしょ。
うまくレイアウトしろよ。
日本の地下鉄で二駅くらい歩いたぜ。
迷うことはないけど、一体どこまで歩くのかわからないから、空港に騙されてるんじゃないかと思うでしょ。

私がこちらで働いていた頃、空港の広告を一括管理していた会社としごとをしたんだけど、「成田?最悪ね。何が何だかわからないじゃん」とかふざけたことぬかしてけつかったあのガキ出てこいや。
辞めてていないはずだけど。

ま、そんなことで、書いたら少しスッキリしました。
なんでも日本以外の国では合理的に事が進むというのは幻想ですよ。

ちなみにですが、ロンドンの地下鉄は同じホームに違う路線の電車が入ってきたり、右だと思えば左に来たり、勝手に今日はこの駅は止まりませんとか言い始めたり、ここからは今日はバスだよ、なんてこともあります。
昨日それを全て体験しました。
ちょっと懐かしかったな。

また、地下鉄にの電車内でエアコンが入っていることは非常に稀で、息ができないくらい電車内の気温が上がったりします。
ですので、電車内ではたびたび、暑いから必ずお水を持って乗ってちょーだいね、というアナウンスがあります。
24日の新聞イブニングスタンダードでは「これが家畜だったら、虐待だって騒がれるぜ」というイギリス人らしいシニカルな見出しの記事を載せて心を和ませてくれます。
23日のセントラルライン、オックスフォード・サーカス駅では電車内で34.8度、湿度45%を記録したそうです。
面白いですね。

と、ここまで書いて、どうしてゲイトに係員の方はいらっしゃらないのかしら、と不安になりかけていたら、一人おばちゃんが立ち上がり、ゲイト表示板を確認に向かわれました。
たいへん親切なおばちゃんは戻って来て、数人に「8番ゲイトよ、8番!」と教えてくれて、私も確認に走ったところ、80が8に変わってんじゃん。
大急ぎでまたも2駅分全力で歩きましたよ。
なんだよ、アナウンスくらいしろよ、しないからボケーっとしてるイギリス人乗客はまだ80番ゲイトに座ってるわよ。
と、ここでいきなりアナウンスがあり、全員が現在息咳切らして走っているところ。
私はすでに機内でシートベルトを閉めました。
誰のせいだか知らないけど、ちゃんとやろうぜ。
朝っぱらから歩き倒したんで、お腹減ったよ。

ちゃんとしている私。