リバーダンス

アイルランドのことばかり毎日書いてたり読んでたりすると飽きるでしょ。
私はネタ元にいるんでいいんだけど、皆様が嫌になるんじゃないかと、心配で。
でも、やっぱりアイルランドのことになるのは仕方ない。
ですから、ちょっとだけ視点を変えて。

リバーダンスという興行があるのはご存知の方も多いと思います。
日本でも何度か公演がありました。
何はかのはずみでこの話になると「アイルダンスのダンスでしょ」と思われていることが多々あるので、少し困惑したり致します。
アイルランドの伝統的なダンスはアイリッシュダンスとそのまんまの名前で読んでいただくのが正しいんですのよ。
腕の振りをほとんど使わず、スクっと一本棒が入ったような姿勢で軽やかにステップを踏む、あの魅惑のダンスであります。

リバーダンスはアイリッシュダンスアイルランド音楽を半分くらい取り入れた、アイルランドで生まれた興業でございます。
ですから、フラメンコやロシア風ダンスなんかも組み込まれていて、一種のエンターテインメントコンピレーション的なものですね。
ですから、ああ、アイルランドを堪能した、と思うのは勝手ですが、内容は違ってますから気をつけてね。

これが生まれたのはそんなに昔のことではありません。
1994年くらいかしら、アイルランドで初めて興行が打たれ大ヒットとなりました。

その後、リバーダンスはロンドンにやってまいりました。
1995年に二度、長い興行を打っております。
まさに私がロンドンにいる時でございまして、6月の公演で大騒ぎになって「リバーダンス観たか」的なうねりとなり、CMもバンバン流れておりましたので、私も大はしゃぎで二度目の公演のチケットを手に入れました。
1歳になったばかりの娘をベビーシッターに預けて出て行こうとするんですが、私どもが出ようとすると気配を察して、どえらい声で泣きわめき、檻、じゃなくて、ベビーベッドから転がり落ちそうな勢いで暴れてねえ、その時のことを思うと今でも、心が痛むんですよ。
悪いことしたなあ。
でも、人生にもう一度同じようなことがあってもまたやるな、きっと。
そんなこともうないんだけど。
娘に問い合わせたところ、そんなこと覚えていないそうですので少し気が楽になりました。

到着してすぐダブリンの街を歩いていたら、リバーダンスのポスターが貼ってありました。
古いポスターは剥がしとけよ、と日付を見たら、ちょうど始まったばかりじゃん。
ああ、ずいぶん昔のことだ、娘を置いて家を出て、ハマースミスのアポロシアターに行ったのよ。
アポロシアターは幾つかありますが、ハマースミスの劇場は舞台が広くてね、これが普通のお芝居にはあまり向いていないんだけど、ダンスショーということになると、幅、奥行きを存分に駆使できるので、それはもう豪勢なもんよ。
舞台の幅いっぱいにダンサーが並んで一瞬の狂いもなくステップを踏むんだから、その音だけで圧倒されますよ。
その時の興奮は忘れ難く、何度も日本公演に行こうと思ったんだけど、こういうのは出会い?みたいなもんで、いつの間にか、あれ、もう終わっちゃったの、ってことになります。
きっと本気で行こうと思っていなかったてことでしょ。
しかしさ、たまたま来てしまったダブリンで公演が始まったばかり、ということになれば行くんじゃないの。
しかも、ブラブラしてたらその劇場が目の前にあったりするんだもん。
フラフラとボックスオフィスの窓口に立っていた私。

昨晩、出かけましたよ。
ガイエッティー・シアターってとこなんだけど、ここは舞台が狭いわ。
大人数のダンサーをどうやって乗せるのかしら。
乗らねえよ。
物理的に不可能なんだよ。
今年で20周年を迎えるリバーダンス、19年ぶりに観る私。
全く同じことはやらないだろう、というのは大間違いで、リバーダンスはリバーダンスなんだからほとんど同じ。
そうか、ダンサーもよく20年同じことやってるな、体力あるな、というのも間違いで、すっかり若い人に変わっている。
19年前の人の顔、全然覚えてないんだけど。

こんなだったね。
でも、今観ると、ちょっとあれだね、あざといって言うの?なんか鼻につく演出。
3分おきぐらいに、拍手させるやりくち?
なーんだかな、と観ているうちに終わっちゃった。

おかしなこと書いといてあれですが、満足しましたよ。
舞台がもっと広けりゃ、とか、そういう観客へのアピールはいらないんじゃねーの、とかありましたけど。
いろんな意味で楽しかったわ。

観客 、最後の5分間はずっとスタンディングオベイションだもん。
よかったね、みんな。

本日はWiFiの接続が非常に悪く写真も動画も貼り付けられません。
ご興味のある方は、リバーダンスで検索してみてください。