無責任体制の向かうところ

安倍首相が東京裁判をグリグリ糾弾する方々が集まり、戦犯として処刑された日本軍人の追悼法要を行う会に哀悼メッセージを送っていたことが明らかになって、ロイターも世界中にそのニュースを配信いたしました。
どの新聞でも確認できるし、SNSでもたくさん取り上げられておりますので、あえて物申す気はなかったのですが、その後の動きがあまりにも変なので、一言だけね。

戦犯とされた方々の中にはあまりにも理不尽な理由で処刑された方がいらっしゃるのも知っていますし、東京裁判の問題も認識しておりますが、日本は東京裁判を受け入れ、サンフランシスコ講和条約を締結いたしました。
いわゆる「平和に対する罪」を認めております。

安倍首相が送ったメッセージには「今日の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉職者の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げる」と書かれているそうで、こりゃどこの右翼団体からのものかしら、てなことのようでございます。
日本には戦犯はいない、みんなが戦争を進めてくれたおかげで現在の平和がある、と読めるのは私だけかしらね。
当然A級戦犯も含まれております。

そういうふうに考える人がいるのは止めようがないんだけど、これを敗戦国で東京裁判を受け入れた国の首相が言うかね。
自民党総裁名なんで総理大臣としてではない。私人としてのメッセージであり政府としてのコメントは控えたい」らしい。
官房長官らしい発言であります。
ところが、自民党総裁室は「党としては関与していない」とおっしゃている。
ほー。
安倍首相の事務所は「お答えするつもりはない」んだって。
ワシら全然カンケーないもんね、で全員が全力ダッシュで逃亡中。

首相でもなく、総裁でもなく、事務所もダンマリということなら、「安倍ちゃん」か「安倍君」か「ボケかましまくる安倍」かになるんだけど、それでよろしいでしょうかね。

ここはもう胸張って、全世界に向けて「首相であり、自民党総裁であり、私人の安倍がこれまでの日本の反省はすべて無効といたしますことを宣言します。サンフランシスコ講和条約も破棄ね」ってやってみてはいかがかね。
G7とかいい機会じゃん。
戦後レジームからの脱却ってのはそういうことなんでしょ。
各国首脳から「よく言った。安倍君、見直したぞ。また戦争だな」って誉められると思ってるんでしょ。

そのうち「ご英霊に恥じることのないよう、新しい日本のために敵を殲滅いたします」とか言い始めそうな気がしてなりませぬ。