THE DITTY BOPS

私は一応FM音楽局で本を紹介しながら、その本に合わせて選曲もしているので、CDをよく買う。
ただ、最近の流行には全く疎くて、じゃなくて気持ちが反応できない体質になっていて、早い話、トップ40を全く把握していない。私の「みんなの好きなものは興味なし」という邪悪な魂のせいだと思う。

どえらく古い話で恐縮だが、山口百恵のどこがいいのかわからないかったし、もっとひどいケースでは松任谷由実にも乗れない。ユーミンがホーミーで歌っているという説にはすごく興味があるんだけど。
ちなみに私はホーミーの真似事ができる。モンゴルの本格的なやつには及びもつかないが、ユニゾンだが高音と低温は一緒に出せる。これで歌が歌えるといいんだが、ただ唸っているだけなので家族からは極めて不評である。一度ラジオでやってやろうと思っているんだが、ご一緒させていただいている杏さんから嫌われそうだし、ディレクターが絶対にやめろというに違いない。皆さんのご要望次第です。

では、どうやってCDを買っているかだが、私にもよくわからない。少し前まではCDショップのワールド・ミュージックのコーナーで、1時間でも2時間でも試聴して買っていたのだが、すっかりお店の数が減ってしまい、普段行かないところに足を運ぶことが面倒になっている親父なので、それがなくなった。仕方なく新聞のレコード評を見てネットショップやYou Yubeで確認したりするのだが、うちにサーフィンが始まってしまい、気がつくと「ここどこ?」という不思議な電脳空間に浮かんでいたりする。そうすると、「これはヤバイね」というミュージシャンに出くわしたりする。これまでずいぶん見つけたよ。あとで得意気にディレクターに「これ知ってる?」と聞くと「誰でも知ってますよ」とバカにされたり、これはきっと大ヒットしたんじゃないかと思って聞くと、「全然知らない」と空振りしたりする。また、私が中学生の時に世界中を席巻したような曲をかけたりしても、「これなんですか」とかいうこともあるな。
いずれにしても、かなりずれていることは確か。

今年第一回目の放送で、本と映画の昨年のベストを発表した。
本はベストセラーになってしまった高野和明の「ジェノサイド」。本当に面白いんだから、面白みのない選択だといわれても困る。

ジェノサイド

ジェノサイド

映画は富田克也監督の「サウダージ」。
甲府を舞台にした映画だが、監督本人がトラックの運転手をやりながら稼いだ金をつぎ込んで作ったドキュメンタリーかと思わせるほど、リアリティに押しつぶされそうになるフィクション。

で、ついでに今年発見した一番好きなミュージシャンもご紹介した。それがTHE DITTY BOPS。
女性二人のデュオなんだが、あまりにも息が合いすぎていて、「こんなにピッタリ合うことがあるもんかいな」と不思議に思い調べてみたら、1999年に二人はニューヨークで恋に落ちたらしい。その後、二人で近所の人の迷い猫を探しているうちに、知らない人の裏庭に入り込んでしまったのだが、たまたまそこに住んでいた男性がミュージシャンで、どういういきさつか分からないが二人にバンドを組むことを勧め、それから音楽活動を始めた、とウィキペディアに書いてある。にわかには信じがたい話である。
2008年、カリフォルニアで結婚した。これは本当。
彼女たちは同じミュージシャンからも人気があり、ボブ・ディランのアルバムにも参加したりしている。
アメリカではかなりの人気なんだけど、日本ではCDが発売されておらず、ほとんど知られていない。
もったいなさすぎ。
是非、聴いていただきたい。