カレースパゲティ

なんか楽なほうに逃げようとしている、と鋭い洞察力でタイトルを御覧になった方がいると思う。
今日初めてこのブログを見ていただいた方は、食い物ブログじゃねえか、と二度と戻ってこないかもしれない。
それも仕方なかろう。

しかし、物事には流れというものがあり、「あの日私はあのように書きましたが」、と解説してもわざわざ探して読んでくれるとは思えない。毎日書いているとこういうことになるな。
特に私は書いているうちにタイトルから流れが大きく変わってくるので、自分でもどこで何を書いたかすでにわからなくなってきている。

なので、本日はカレーつながりで。

「日本人はみんなカレー好きなんやって」と多くの人がおっしゃるが、違うと思うよ。おおむね好きくらいじゃないの。あれだけ街中にカレー屋さんがあるが、私は外でカレー食べることないもん。ラーメンとカレーじゃ、間違いなくラーメンだもん。どれだけまずかろうと思われる店でもラーメン屋を選ぶ。

ラーメンの話じゃないので、戻そう。

先日、杏さんと一緒にやっているJ-WAVEの「BOOK BAR」という番組の中で「パスタでたどるイタリア史」という極めてユニークな視点からイタリア史を捉えなおすという本を紹介した。

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)

そこで、「パスタは長いもの、乾麺以外は口にしない」ということで29歳の歳の差にもかかわらず、パスタに関しては杏さんと完全な意見の一致をみて、「25の女性の感性と一致している俺」ということに自宅に帰ってから感涙にむせんだ。

その時に話をしようかと思ったんだけど、時間ががなくなってしまって、この画期的な食物について紹介できなかった。それもあって、本日初お披露目である。

カレーはどの家でも大量に作る。一度作れば3日はもつ。一人暮らしの方であれば一週間はいけるんじゃないか。初日はカレーライスであろうが、これが何日も続くと飽きるじゃん。
私、昔、アメリカの大学に会社の金で通わせていただいたことがあって、30を越して、自炊一人暮らしを体験した。何かいいことがありそうなムードだが、誰に誓うことでもないが、何にもなくてラーメン本を見ながら泣いていた。

仕方がないので、自炊生活を楽しむことにしたのだが、これが驚いたことにすごく楽しい。授業を受けている最中から、今日はあれを作って、ちょっとこう工夫して、と毎日の献立を考える日々。
カレーが当然出てくる。その試行錯誤の中で、昨日紹介したジャガイモ、ニンジンなしのカレーの原型ができた。

パサパサの細長い米を鍋で炊いて、それにかけて食べるのだが、もともとインドの米は似たタイプなのでそれでとてもおいしい。が、毎日は嫌だ、ということでひらめいたのが、カレースパゲティである。
スパゲティを茹でて、その上に作り置きのカレーを温めてかけるだけ、の自宅ファストフード。
これがうまい。炭水化物にカレーをかけるだけだから、基本構造は全く同じで不自然なところは何もないでしょ。
ゆで卵や目玉焼きを乗せたり、バリエーションは少ないが、何日でも大丈夫。

私が思いついたことだから、みんなやっているんだと思っていたら、違いました。

「スパゲティにカレーかけるとおいしいよね」
こんなにシンプルで素直な質問はないのだが、
「・・・」
ひどいのになると
「スパゲティをそんなにして食べるなんて信じられない」
とまで罵倒するイタリアかぶれの馬鹿女まで出てきた。
コペルニクスが苦悩したわけだ。

たらこスパゲティを平気で食べている人間がカレースパゲティを否定するか?

確かに店のメニューに「カレースパゲティ」とあるのは見たことがない。
あれは店が無知なだけだ。
先駆者は苦労する。
これで一儲けなんて考えてないけど。

やってみな。ただで教えてあげてんだから。

番組で話したほうがよかったのか、やめといて正解だったのか。
杏さんに聞いてみよう。

しつこいけど下関のラーメン。これは満潮の。